石ツルハシを作って手に持った瞬間、またピロン、と通知音が鳴った。今度は「アップグレード」という実績だ。

「よし！これでだいたい大丈夫だろ！」

『待て、何か聞こえないか？』

ルチアーノが聞いた。

「なんだ…？」

サーティーンも音に気がついたようだ。

パチパチという音と、何かが苦しそうな声を出している。

『覗いてみるか？』

「おう、そうしようぜ？」

二人は自分たちの目線の高さ一ブロックを壊して外をのぞくことにした。
外は朝を迎えていた。太陽が徐々に昇ってくる。

辺りを見回すと、

燃えているのだ。魔物たちが。
うめき声を上げながら、骨をカタカタ言わせながら。

「うわ？！燃えてる？！日に当たったら燃えるのか。」

『だからベッドを使って朝までスキップするのだな。』

「昼は基本安全…なのかな？」

『油断はするなよ、サーティーン。』

「わかってるって！」

視界から敵の姿が消えたので、彼らは一度外に出てみることにした。
先程のうるささがまるで嘘のように静まり返っていた。

「綺麗さっぱりいなくなったな…」

辺りには腐った肉片や骨など敵の残骸と思わしきものが落ちていた。