しかし、この状況があまりよくない事が二人にはわかっていた。
こちらに武器はない。しかし周りを敵に囲まれている。
特に骨の魔物がまずい。遠距離武器は丸腰には最大の敵だからだ。

『失念していた…どうしたものか…』

ルチアーノは頭を抱えた。

「とりあえず朝まで待ってみようぜ？暗い中で動くのは不利すぎる。」

とサーティーンが言う。

『そうだな。このタイミングでクラフトのレシピや、実績など色々見て見るとするか…』

とルチアーノもそれに同意した。

「まずはクラフトか」

クラフト台は、台がない状態で作れるものに追加する形でレシピがあるので、二人で手分けをして眺めていった。
作れないものも、赤枠の中に表示されている。触ってみると、完成形の名前と、それがどういう効能を持つのかの説明が一行程度書かれていた。

ツルハシ、スコップ、オノ、クワなどのツールや、剣、防具、弓、盾という防具系統があった。
その中で二人が気になったのがベットの効果だ。

［夜、または雷雨の時に寝ることができ、全員が寝ていると夜をスキップできる。夜でも昼でもリスポーン位置の設定ができる。］

と、これだけかなり長文で書いてあったのだ。

「結構キーアイテムじゃね？これ。」

『うむ。見る限り、な。』

「羊毛、っていうのが必要なのか…」

「あ、さっきヒツジいたよな！」

『ああ、先ほど見たな。』

彼らは木材を集めている時、ヒツジを目撃していたのだ。

「木製だからあんまり強く無さそうだけど剣も作れるし、朝になったら外に出て、化け物たちと少し戦ってみようぜ？」

『あれだけの数だ。かなり無謀ではないか？』

「木じゃ難しいか…」

『安全策として、せめて石が欲しいな。』

「ならツルハシがいるか。」

二人は木のツルハシを作った。

「んで、石ってどこにあるんだ？」

『近くの山を見たときに、土の下に石らしきものが見えた。ここから推測するに、土を掘れば出てくるのではないか？』

「おっさん、よく見てるんだな…」

『地形を把握するのは大事なことだからな。』

「へぇ」

『とりあえず掘ってみよう。』

サクサクという音を立てながら土を数段掘ると…

「あ！あった！」

石が顔をのぞかせた。
木のツルハシで、それをツルハシと剣が作れる分だけ掘り、土で階段を作り、再び上に上がった。