運命の交わる時

辿り着いて見てみると、先ほどまで冷たい水色だった透明な壁が、暖かいオレンジ色に変わっている。まるで暗い夜から、柔らかな光さす朝になったようだ。

「オレンジになった壁は、キャンドルを灯すと通れるわよ?」

sirutoがキャンドルを灯して通ってみる。

『ほんとうだ!』

irisも試して見たようだ。
人一人分の穴が壁に開き、通り抜けられた。
段差が大きいところはふわりと飛び上がって上に登り、ついに光の子のところまで辿り着いた。
そっと触れてチカラを受け取る。

irisのケープが輝き、羽ばたける羽のチカラが2回分に増えた。

「羽が2枚になったわね、おめでとう。」

『こんな感じで星の子の魂を集めればいいんだね!』

「そうよ。さて、大神殿へ向かい、今度は精霊の魂の解放をしましょうか。」

そう言ってsirutoはirisに手を差し出した。

「基本的な飛び方を教えるわ。」

飛び方は基本的に二つある。滑空と上に浮くホバーだ。
初めから滑空してしまうと、狭い足場などに着地したい時に距離を見誤って通り過ぎてしまったり、距離が足りなかったりする。
なので皆最初はホバーでゆっくり飛ぶのだ。
だが、気流があるところは風が導いてくれるので、滑空でも安全に飛ぶことができる。

「気流に乗るには、空中で胸を張るようにすればいいわよ。」

sirutoはirisの手をひき、空中に浮かび上がった。そしてそのまま上体を反らし、風をとらえる。

『こ、こう?』

irisも見よう見まねでやってみる。さすがは星の子で、飲み込みが早い。
そのまま風に乗って大神殿があるところへ辿り着いた。
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