運命の交わる時
『魂をどうやって救い出すんですか?』
「近くまで行って、触れれば救いあげられますよ。」
『ようし!』
そう言うとirisは崖から飛び降り、光の子の近くまで行き、触れた。
すると、光の子が姿を変えて、irisの背中に収まった。
彼女の全身を光が覆い.....
焦げ茶色のケープが出現した。
これで使命の遂行ができる。
『わぁ...!!』
irisが嬉しそうにケープを眺める。
それを見て、sirutoは自身が初めてケープを手に入れた時のことを思い出す。
(私もこんな感じだったなぁ...)
微笑ましいと同時に複雑な気持ちになる。
(この子も、使命の輪廻の中に入ったのね...)
使命は終わることは無い。使命を受けた星の子も、志半ばで散ってしまうことがあるからだ。その魂もまた、現世に留まってしまう。
『sirutoさん』
名前を呼ばれて、はっと顔をあげた
irisが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「ごめんなさい、考え事をしていたのよ」
なんでもないというふうに首を振る。
それから少したわいもない話をしながらも、まだ頭の中ではirisの事を考えてしまっていた。
しばらくぐるぐると考えをめぐらせ、irisが自分と同じようなことになり、初々しい彼女の心が荒み、笑顔が消えてしまうことが恐ろしいのだという答えにたどり着いた。
彼女を見守りたい。
(でも...私は...)
彼女とともに使命を全うすることが出来ないであろう。
捨てられた地には、今の自分にはとても足を踏み入れることは出来ない。怖いからといって、峡谷まで連れていき、1番恐ろしいところで放り出すのなんて以ての外だ。
『あの...。』
「どうしたのです?irisさん。」
『sirutoさんも、使命を受けているのですよね?』
「ええ、そうね。」
今は休止中だけれども、と心で呟く。
『私...まだ右も左も分からなくて...ケープ貰ったけど飛び方も危ういんです...。なので.........』
嫌な予感がした。
そしてその予感は的中する。
『使命を果たすのを...手伝っていただけませんか?』
(....................................................。)
捨てられた地を歩くことが出来ない自分では断ることが賢明だと頭の中では分かっている。しかし、このままトラウマをひきずっていていいのか、ともう一人の自分が囁く。
俯いて目を閉じて、しばらく考える。
ふと目を開けると、
(迷惑なこと言っちゃったかな...)
と少し泣きそうなirisの表情が目に入った。
私は覚悟を決めた。
(そうね、このまま塞ぎ込んでられないもの、前を向かなきゃ!!)
スッと彼女の目線に顔を合わせて、優しく言った。
「.......わかったわ、私が手伝います。一緒に行きましょう、irisさん。」
こうして、私たちの旅は始まった。
「近くまで行って、触れれば救いあげられますよ。」
『ようし!』
そう言うとirisは崖から飛び降り、光の子の近くまで行き、触れた。
すると、光の子が姿を変えて、irisの背中に収まった。
彼女の全身を光が覆い.....
焦げ茶色のケープが出現した。
これで使命の遂行ができる。
『わぁ...!!』
irisが嬉しそうにケープを眺める。
それを見て、sirutoは自身が初めてケープを手に入れた時のことを思い出す。
(私もこんな感じだったなぁ...)
微笑ましいと同時に複雑な気持ちになる。
(この子も、使命の輪廻の中に入ったのね...)
使命は終わることは無い。使命を受けた星の子も、志半ばで散ってしまうことがあるからだ。その魂もまた、現世に留まってしまう。
『sirutoさん』
名前を呼ばれて、はっと顔をあげた
irisが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「ごめんなさい、考え事をしていたのよ」
なんでもないというふうに首を振る。
それから少したわいもない話をしながらも、まだ頭の中ではirisの事を考えてしまっていた。
しばらくぐるぐると考えをめぐらせ、irisが自分と同じようなことになり、初々しい彼女の心が荒み、笑顔が消えてしまうことが恐ろしいのだという答えにたどり着いた。
彼女を見守りたい。
(でも...私は...)
彼女とともに使命を全うすることが出来ないであろう。
捨てられた地には、今の自分にはとても足を踏み入れることは出来ない。怖いからといって、峡谷まで連れていき、1番恐ろしいところで放り出すのなんて以ての外だ。
『あの...。』
「どうしたのです?irisさん。」
『sirutoさんも、使命を受けているのですよね?』
「ええ、そうね。」
今は休止中だけれども、と心で呟く。
『私...まだ右も左も分からなくて...ケープ貰ったけど飛び方も危ういんです...。なので.........』
嫌な予感がした。
そしてその予感は的中する。
『使命を果たすのを...手伝っていただけませんか?』
(....................................................。)
捨てられた地を歩くことが出来ない自分では断ることが賢明だと頭の中では分かっている。しかし、このままトラウマをひきずっていていいのか、ともう一人の自分が囁く。
俯いて目を閉じて、しばらく考える。
ふと目を開けると、
(迷惑なこと言っちゃったかな...)
と少し泣きそうなirisの表情が目に入った。
私は覚悟を決めた。
(そうね、このまま塞ぎ込んでられないもの、前を向かなきゃ!!)
スッと彼女の目線に顔を合わせて、優しく言った。
「.......わかったわ、私が手伝います。一緒に行きましょう、irisさん。」
こうして、私たちの旅は始まった。