運命の交わる時

『あ、そういえば、私使命を全うしにきたんですけど、何をすればいいのか分からなくて...』

困った、とirisの顔が告げている。本当にわかりやすい反応だ。

「ああ、私たちに課された使命は、地上に取り残された我らが同胞と、先祖の魂を天空に送り届けることですね。」

と簡潔にsirutoが答える。

『ん?でも魂なんてどうやって見つけるのですか?』

首を傾げてirisが聞く

「そこに同胞の魂が居るはずですよ。」

sirutoが指を指す

『なにか光ってますね。』

「それが同胞の魂、光の子です。」

『そうなんですね!』

irisが納得したように頷く。

星の子は、それぞれ使命を受け、初めて地上に降り立ったときや転生した時に、地上で散っていった魂と紐付けられる。

光の子が居るところは、そんな散っていった魂達と交信できる特別な場所なのだ。

そこで魂を拾い上げ、光の子に力を貸してもらい、初めてより上へと羽ばたけるようになる。

当然、羽ばたけるようになるごとに、救える魂も増える。

まさに彼らの魂を救うことは一石二鳥なのだ。

しかし、便利だからといってそのままにしてはいけない。その羽はあくまで借り物。暴風域の先、原罪に赴き、魂を元の器に返して解放してあげなくてはならない。

そして、使命を終えた星の子は転生し、再び魂を回収しに飛び立つのだ。

その時に手を貸してくれるのが先祖の精霊。彼らの記憶や物品、感情をそれぞれ解放すると、次の旅の時に羽を渡してくれ、力を貸してくれる。その羽は、同胞の魂を回収するのに大いに役立つだろう。
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