知るが罪か、知らざるが罪か

ここからは、透明なマンタが螺旋状に上まで運んでくれる。
sirutoとirisはマンタの背に飛び乗る。

『これ、落ちないよね!?』

「大丈夫よ。暴れたり、飛び上がったりしない限り落ちないわ。」

早いスピードで登っていくマンタ。
しかし、光のチカラで吸い寄せられているので、そう簡単に落ちることはないだろう。


あっという間に上へ着いた。


真正面に光の子がいる。救出し、目の前の石碑を見上げる。
今まで通ってきた神殿の大精霊をかたどった石碑が、書庫の大精霊を囲むように建っている。
祭壇にある六本の白いキャンドルに火をつける。

前に座って祈りを捧げた。

書庫の大精霊様が正座をしている。
大精霊様はそっと手招きした。

irisが近づくと、大精霊様は何かを訴えかけるように手をのばしかけ、自身の横から書庫の上昇装置のクリスタルの小さいバージョンを差し出した。

それにirisは炎を入れる。
大精霊様は炎入りのクリスタルをirisに渡した。
irisはそれを上にとばす。

空が輝く。美しい星々だ。

それぞれの星座のルーツが映し出された。

全て大精霊の持っている道具のようだ。

孤島は杖。草原はツボ。雨林は金床と金槌。峡谷は競技道具。捨てられた地は盾と槍。書庫は記憶媒体。

全てのエリアの大精霊が勢ぞろいしてirisに感謝の意を示す。

王冠のような星座が輝き、とある光景が浮かぶ。

irisはとある部屋に座っていた。
ここが書庫の終着点。

雷鳴が轟き、禍々しい入り口がある。
隣に居たsirutoと顔を見合わせた。

最後のエリア。
炎をともす。
道が開かれた。

sirutoはirisに無言で手を差し出した。
irisも無言で繋ぎ返す。

緊張した面持ちで二人は次なるエリア、暴風域へと踏み出した。
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