知るが罪か、知らざるが罪か

書庫についた。ここは、過去の記憶と叡智が詰まった地だ。紐解くことでこの世界の新たな一面を垣間見ることができる。良い面も、悪い面も。
ハシゴの上に居る光の子を救出し、階段を登り、歩いていく。

目の前に台座のようなものが見える。その先に道はない。

『あれ、行き止まり?』

irisが訝しむ。

「ここは目の前の台座を起動して上へ上へと上がっていく構造なのよ。」

sirutoが台座を指差す。

『そうなんだ!』

「灯篭のようなものに火を灯して起動装置を呼び出して、その起動装置にも火を灯して上に行くエネルギーを補填するのよ。」

『わかった!』

irisはおんぶ状態から降り立って、灯篭に火をつける。すると、真ん中に崩れ落ちていたエネルギーを蓄えるクリスタルが構築される。
それと同時に起動媒体も召喚された。

「これに火を灯すのよ。そうしたら上に上がれる動力が貯まるわ。」

sirutoとirisはそれぞれ手分けして火を灯した。
装置から青い筋のようなものがクリスタルに伸び、エネルギーが満タンになった。

「ここで瞑想をするのよ。」

台座のようなところに座り、動くよう念じる。
すると重い音が響き、台座が浮き上がる。

『すごい!上に上がってる!』

台座はしばらく上昇すると、ガコンと音を立てて止まった。

『あれ、止まっちゃった。』

「この装置は、各階層でエネルギーを補充して上がっていくのよ。」

『そう言う仕組みなんだね!』

二人はさっきと同じ手順でクリスタルにエネルギーを貯め、上へ上がった。

三階層目に、精霊がいた。
美しい佇まいの精霊で、精霊の背後に生えた、逞しく伸びる大樹のような威厳のある精霊だった。

その近くに居た光の子も救済する。灯篭に火を灯す。すると、おびただしい量の起動装置が出現する。

『うわ、いっぱい!』

irisも驚いている。
これの一つ一つに火を灯すのはなかなかに骨が折れる。
やっと全ての起動装置に灯し終え、台座に上がる。

『わぁ!綺麗だなぁ!』

「壮観よね。」

青い光の筋を伸ばし、くるくると台座の周りを回るたくさんの起動装置は改めて見るととても幻想的だった。

瞑想をし、またもや上へあがる。
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