運命の交わる時

扉の向こうは見なれた光景。
だがどことなく帰って来た、という感覚がわき起こるのは昔の名残だろうか。

白い砂を一歩一歩、踏みしめながら歩く。

昔は扉をぬけた途端に羽ばたいて、現世で散っていき、取り残された星の子の魂、光の子を探し出して救いあげるだけだった。
初めは心を動かされもしたが、何度もまわっていると、孤島の殺風景具合には飽きてくる。
景色も何も楽しみがない、ただ、使命のための場所。

だが今は違う。

深呼吸をしながら、悪夢を塗り替えるかのように進む。

洞窟の中に見える、先祖の精霊が刻んだ歴史。
その中にある、星の子の使命について書かれた箇所から目を逸らしながら、洞窟の出口に視線をやった。

普段は誰もいないはずのそこには、先客がいた。

高台から身を乗り出すようにして背伸びをし、周りを見渡している星の子。その背中にケープは無い。まだここに来たばかりなのだろう。

頭の上の癖毛をピョコピョコ揺らしながら広い世界を眺める曇りなき青空のような瞳。肩の辺りに切りそろえられた髪はくるんと可愛らしく内側に丸まっている。

その横顔が眩しくて...思わず凝視してしまった。

不意にその子が後ろを向き、視線がかち合う。
可愛らしい子だな、とsirutoが眺めていると.........ん...?その子の頬が赤く...

『わわ!人が居たなんて...!』

彼女は手で顔を覆いながら恥ずかしがった。
なんて可愛いのだろうか。
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