勝ちより価値有る物
『そうだったんだね…』
irisがしゅんとした顔をする。触れてはいけない話題だったかなぁと思ったような顔をしていた。
「そんなに罪悪感を感じることはないのよ。いずれ話さなくてはいけないとおもっていたから。」
そしてsirutoは真剣な面持ちになり、
「そしてここからは私が体験したことよ。長くなって申し訳ないけれども話させてもらってもいい?」
『うん。大事なことだもの!』
「ありがとう。」
そう言ってsirutoは再び話し始めた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
暗黒竜に見つからなければ大丈夫。そいつらより上を飛んで、素早く去る。
そうやって細心の注意を払えば行けるだろうと考えた。
下を通るにはとても危険。ならば上を通る。
とても単純なこと。
いつもそうしてきた。高く飛ぶには十分な羽のチカラがある。ルートも把握している。
万全な状態で臨んだ。これ以上はないくらいに。
「回復しない…なんで…?」
私は半ばパニックになっていた。暗黒竜がいないところでは普通に行えていた灯篭での光のチカラの補充。それが今、この重要なところで出来ないのだ。
(対策を考えましょう。ここは暗黒竜が巡回しない場s…)
視界が朱に染まる。悪寒が走る。
(どうして………?)
ここは巡回ルートではないはず。
とてもまずい。翼の光がない今、遮蔽物が近くにないここで避けることは不可能だ。
それはまさしく悪夢だった。
追突され、吹き飛んで、自身の身体から鳴ってはいけない音がする。
墓所の出口の階段の下まで吹き飛ばされた。
砂がクッションになり、砂まみれになっただけで身体が傷つきはしなかったが、光のチカラを奪われたダメージは計り知れなかった。
なんとか墓所から出ることができ、動かない足に鞭打ちながら次なるエリア、書庫へと続く砂漠へと向かった。
暗黒竜がいないので、光のチカラを回復できる。
しかし、最後の扉を開く仕掛けに光を灯した時、数多の暗黒竜が押し寄せてきた。私は腰が抜けてへたり込んでしまった。後ずさろうと立ち上がろうとして転けたときに暗黒竜が襲い掛かってきて、後ろに、開いた門の方向に飛ばされた時にこのヒビがついたのだ。
情報の不足。これが致命的だったのだ。
被害にあった星の子の大半は命を落としているのだろう。
詳細な話が噂やら何やらとして聞こえてこないのだ。
一命を取り留めてからしばらくは、捨てられた地の次のエリアの書庫で、raimuさんの治療法を探すためと、この異常事態を解明するために光と闇に関する文献を読み漁った。
幸い、その手の文献が沢山あったので助かった。
知識や情報はいくらあっても困らない。
その中に、気になる文言があった。
闇があるからこそ、光は輝く。光があるからこそ闇がある。しかし最近、光と闇のバランスが崩れているのだろう。闇のみのところから光は生まれない…。
備えなくては。次にまた捨てられた地を訪れた時に大丈夫なように……。
しかし、私は、あそこを一人で回ることはできないと判断した。
あれだけ準備を怠らずに向かったにもかかわらず、死にかけた。その恐怖が私の折れかけていた心を粉々に砕いたのだ。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「この先の地はそこを通ったことの無い者が一人では行くには危険すぎるわ。少なくともこの原因不明の闇のチカラが収まるまでは。」
『すごく危なそうだもんね…。私も、できることは頑張るね!』
二人は顔を見合わせて頷いた。
irisがしゅんとした顔をする。触れてはいけない話題だったかなぁと思ったような顔をしていた。
「そんなに罪悪感を感じることはないのよ。いずれ話さなくてはいけないとおもっていたから。」
そしてsirutoは真剣な面持ちになり、
「そしてここからは私が体験したことよ。長くなって申し訳ないけれども話させてもらってもいい?」
『うん。大事なことだもの!』
「ありがとう。」
そう言ってsirutoは再び話し始めた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
暗黒竜に見つからなければ大丈夫。そいつらより上を飛んで、素早く去る。
そうやって細心の注意を払えば行けるだろうと考えた。
下を通るにはとても危険。ならば上を通る。
とても単純なこと。
いつもそうしてきた。高く飛ぶには十分な羽のチカラがある。ルートも把握している。
万全な状態で臨んだ。これ以上はないくらいに。
「回復しない…なんで…?」
私は半ばパニックになっていた。暗黒竜がいないところでは普通に行えていた灯篭での光のチカラの補充。それが今、この重要なところで出来ないのだ。
(対策を考えましょう。ここは暗黒竜が巡回しない場s…)
視界が朱に染まる。悪寒が走る。
(どうして………?)
ここは巡回ルートではないはず。
とてもまずい。翼の光がない今、遮蔽物が近くにないここで避けることは不可能だ。
それはまさしく悪夢だった。
追突され、吹き飛んで、自身の身体から鳴ってはいけない音がする。
墓所の出口の階段の下まで吹き飛ばされた。
砂がクッションになり、砂まみれになっただけで身体が傷つきはしなかったが、光のチカラを奪われたダメージは計り知れなかった。
なんとか墓所から出ることができ、動かない足に鞭打ちながら次なるエリア、書庫へと続く砂漠へと向かった。
暗黒竜がいないので、光のチカラを回復できる。
しかし、最後の扉を開く仕掛けに光を灯した時、数多の暗黒竜が押し寄せてきた。私は腰が抜けてへたり込んでしまった。後ずさろうと立ち上がろうとして転けたときに暗黒竜が襲い掛かってきて、後ろに、開いた門の方向に飛ばされた時にこのヒビがついたのだ。
情報の不足。これが致命的だったのだ。
被害にあった星の子の大半は命を落としているのだろう。
詳細な話が噂やら何やらとして聞こえてこないのだ。
一命を取り留めてからしばらくは、捨てられた地の次のエリアの書庫で、raimuさんの治療法を探すためと、この異常事態を解明するために光と闇に関する文献を読み漁った。
幸い、その手の文献が沢山あったので助かった。
知識や情報はいくらあっても困らない。
その中に、気になる文言があった。
闇があるからこそ、光は輝く。光があるからこそ闇がある。しかし最近、光と闇のバランスが崩れているのだろう。闇のみのところから光は生まれない…。
備えなくては。次にまた捨てられた地を訪れた時に大丈夫なように……。
しかし、私は、あそこを一人で回ることはできないと判断した。
あれだけ準備を怠らずに向かったにもかかわらず、死にかけた。その恐怖が私の折れかけていた心を粉々に砕いたのだ。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「この先の地はそこを通ったことの無い者が一人では行くには危険すぎるわ。少なくともこの原因不明の闇のチカラが収まるまでは。」
『すごく危なそうだもんね…。私も、できることは頑張るね!』
二人は顔を見合わせて頷いた。