勝ちより価値有る物

転生した彼と偶然合流し、その話を聞いた時、驚きで声が出なかった。
しかし、まだ助かる方法があること、その方法をなんとしてでも探し当てることなどを聞いて、私もできることをすると約束した。

「初めて使命を果たす、raychellさん?は大丈夫だったの?」

《ショックを受けとったな…やはり事故りやすい所だとはいえ、しんどいからな…。やけど、無事転生したで。》

「そうなのね…。」

私はcralsと話しながら密かに決意を固めていた。
raimu先輩は私に、雨林の大精霊様の仮面をいただく前に着用していた仮面をくださっていた。
一人前になった証だと言って、柔らかい笑みを浮かべながら渡してくださった光景は今でも鮮明に思い出される。

私も頑張らなくちゃ。raimu先輩に認めてもらったんだもの。
書庫にある文献で、闇の浄化について調べたりするのが良いわね。どこにあるのか探さなきゃ。

そう思った。

《捨てられた地に行くときは、十分気をつけるんやで。》

「ええ。勿論準備は怠らないわ。」

《もし不安なら、少し後回しにしてもええんやで?》

「そうね…でもそうやっていつまでも後回しにし続けることはできないわ…。」

《そうなんやけどもなぁ…。まぁ、何にせよ無茶はするなよ?》

「心がけるわ。」

回復ポイントもしっかりと把握している。慣れているため、飛ぶ時のルート構築さえ気をつければよほど危険なことにはならない。普段は。

しかし、その考えが甘かったことにsirutoは後々気付かされることになる。
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