その後、raychellを連れ、何事もなく書庫を回る。書庫の5階にたどり着き、瞑想を終える。この先は闇の嵐吹き荒れる地だ。そこを越えた先に目指すべき地がある。
cralsはふとraimuの方を見ると、彼は彼女の様子がおかしいことに気がついた。彼女がいつまでも座り込んでいる。

《……raimu？》

［うっ…。］

意識こそあるが、彼女はそのまま横に倒れ込んでしまった。

《…っ！？》

｛raimuさん！？｝

恐ろしいことに、闇に蝕まれている地に近づいたことによって、彼女の塞がった傷口の中にほんの僅かに残った闇が噴き出したのだ。
このままではまたすぐ闇が彼女を蝕む。

《そんな、浄化しきれてなかったんか…？このままじゃ！》

［焦らず…落ち着いて…］

《そんな事言ってられん！光のチカラを完全に失ったらどうなると》

［……その時は、その時だよ…っ！］

《喋らんくてええ！悪化する…》

朦朧としながらもなお彼を励まそうとするraimu。
なんとかしようとすればするほど気持ちが焦る。彼の最大限の力をもってしても、闇の蝕みを軽減させることしかできないであろう。

彼女の意識は既にない。このままではいけない。

焦りで回らない頭を必死に回転させ、彼は考える。そして、ある考えに行きつく。

(雨林のあそこなら…！取り合えすここを離れんと…)

ここにはホームへと続く扉がある。そこを通り、着替えの祠から傘を取り出す。

まだ希望はある。
また再び彼女が空を舞えるように、加護の強い雨林で時間をかけて浄化するのだ。
書庫の最上階から、各エリアにつながるゲートがあるホームへと戻ることができる。そこを伝い、ホームに戻った。
ホームにある衣装変更のできる祠から傘を取り出し手に持って、ビーチチェアを背負う。

《ごめんな、行くべきところができた。少しだけ付き合ってもらう。》

｛もちろんだよ…だって私が…｝

《それは気にせん約束やろ？》

｛うん…｝

そうしてcralsは雨林へと向かった。