勝ちより価値有る物
「これが私と先輩との思い出。私にとても多くの経験をくださった人よ。この先の話は、その先輩に起きた事故なの。全てこの先のエリアで起こった出来事なのよ。」
『そうなんだ…。』
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
raimu先輩は、星詠みの導きで出会った、初めて使命を果たす旅に出ていた星の子、raychellの手をcralsとひいていたそうだ。
cralsは、raimu先輩と同じくベテランの星の子だ。
道化師のような格好で、糸目。いつも笑顔でテンションが高い。
顔つきと同じような仮面を飛ぶ時に愛用している。
しかし、情報収集が趣味なので、真剣な場面となるとすごく頼りになるのだ。
cralsは、捨てられた地の異変について何かしら噂は聞いていたが、真実が確かめられていないので、警戒して進もうと彼女に提案した。
[流石に…二人いるから大丈夫だよね?]
《判断するには情報が少なすぎるんよ。》
[警戒するに越したことはないね。]
《せやな。》
[まぁ、大体上空を飛ぶし大丈夫じゃない?精霊の魂を解放するために移動するときは細心の注意を払おう。]
《何にせよ、回復を切らさんようにするわ。》
そして、捨てられた地に差し掛かった。
raychellは初めこそ耐えていたが、暗黒竜が四匹も巡回している墓所と呼ばれるところに差し掛かかり、精霊の魂を解放している時に恐怖で足がすくみ、転んでしまったのだ。そこに運悪く暗黒竜が通りかかる。狙いを定める暗黒竜。
{きゃあ!}
[私が引き付ける!]
《頼んだで!》
cralsは、その子の手を取り起き上がらせ、素早く物陰に隠れる。
raimuは、注意を引き付けて上手くかわした。
しかし、飛んだ先にもう一匹暗黒竜がいたのだ。
おかしい。暗黒竜はそれぞれ持ち場のようなルートがあるので知られているはずなのに、間近に二体いたのだ。気がつかなかった。
おそらく、推測でしかないが、最近、星々の輝きが鈍くなっていたのも関係しているのだろう。これが異変の正体だったのだ。
突然のイレギュラーで判断が遅れた。飛ぶ軌道を変えて逃れることができなかった。彼女の身体が 朱に照らされる。
《あっ、やばい!》
漆黒の躯体が彼女を直撃する。
飛ばされた方向が悪かった。ゴツゴツとした骨に傷つけられた挙句に汚染された水に突っ込んだのだ。
大怪我を負って、動けない。しかし、ケープの光のチカラは暗黒竜に奪われてただでさえ無いというのに、汚染された水によってさらに奪われ、怪我したところから闇が侵食してくる、最悪の状態だった。
彼女は雨林の精霊に加護をいただいている。そのおかげで最悪の事態はなんとか免れた様だが、事態は深刻だった。
cralsは素早くraimuを引き上げ、回復力の高い白いキャンドルを取り出す。
しかし彼女の光のチカラは依然として減っていっている。
《本格的な回復じゃないと追いつかんか!》
キャンドルの光に反応して、他の暗黒竜も迫ってくる。このままではいけないと思い、cralsはraimuをおぶってraychellの手を引き素早くその場を離れた。
かつて戦場となったところとは思えない静寂が辺りを包む。
捨てられた地の神殿があるエリアにたどり着いた。
打ち捨てられた盾にraimuをもたれさせ、光のチカラを分け与える。
大きく裂けた傷口は塞がり、彼女の顔色も改善した。
なんとかなったようだ。
{ごめんなさい…私のせいで…}
とraychellはとても落ち込んでいた。
《よくある事故や。気にしたらあかんで。》
[そうよ、気にしないで?]
{うん…。}
《具合はどうや!?》
[すっかり大丈夫そうだね…もう立てる。キミのチカラには毎回脱帽するよ。]
《よかった…危険やからそのまま神殿に向かうで。》
[わかった。]
そうして彼らはそのエリアの精霊を解放し、蝕む闇を浄化して神殿へと向かった。
『そうなんだ…。』
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
raimu先輩は、星詠みの導きで出会った、初めて使命を果たす旅に出ていた星の子、raychellの手をcralsとひいていたそうだ。
cralsは、raimu先輩と同じくベテランの星の子だ。
道化師のような格好で、糸目。いつも笑顔でテンションが高い。
顔つきと同じような仮面を飛ぶ時に愛用している。
しかし、情報収集が趣味なので、真剣な場面となるとすごく頼りになるのだ。
cralsは、捨てられた地の異変について何かしら噂は聞いていたが、真実が確かめられていないので、警戒して進もうと彼女に提案した。
[流石に…二人いるから大丈夫だよね?]
《判断するには情報が少なすぎるんよ。》
[警戒するに越したことはないね。]
《せやな。》
[まぁ、大体上空を飛ぶし大丈夫じゃない?精霊の魂を解放するために移動するときは細心の注意を払おう。]
《何にせよ、回復を切らさんようにするわ。》
そして、捨てられた地に差し掛かった。
raychellは初めこそ耐えていたが、暗黒竜が四匹も巡回している墓所と呼ばれるところに差し掛かかり、精霊の魂を解放している時に恐怖で足がすくみ、転んでしまったのだ。そこに運悪く暗黒竜が通りかかる。狙いを定める暗黒竜。
{きゃあ!}
[私が引き付ける!]
《頼んだで!》
cralsは、その子の手を取り起き上がらせ、素早く物陰に隠れる。
raimuは、注意を引き付けて上手くかわした。
しかし、飛んだ先にもう一匹暗黒竜がいたのだ。
おかしい。暗黒竜はそれぞれ持ち場のようなルートがあるので知られているはずなのに、間近に二体いたのだ。気がつかなかった。
おそらく、推測でしかないが、最近、星々の輝きが鈍くなっていたのも関係しているのだろう。これが異変の正体だったのだ。
突然のイレギュラーで判断が遅れた。飛ぶ軌道を変えて逃れることができなかった。彼女の身体が 朱に照らされる。
《あっ、やばい!》
漆黒の躯体が彼女を直撃する。
飛ばされた方向が悪かった。ゴツゴツとした骨に傷つけられた挙句に汚染された水に突っ込んだのだ。
大怪我を負って、動けない。しかし、ケープの光のチカラは暗黒竜に奪われてただでさえ無いというのに、汚染された水によってさらに奪われ、怪我したところから闇が侵食してくる、最悪の状態だった。
彼女は雨林の精霊に加護をいただいている。そのおかげで最悪の事態はなんとか免れた様だが、事態は深刻だった。
cralsは素早くraimuを引き上げ、回復力の高い白いキャンドルを取り出す。
しかし彼女の光のチカラは依然として減っていっている。
《本格的な回復じゃないと追いつかんか!》
キャンドルの光に反応して、他の暗黒竜も迫ってくる。このままではいけないと思い、cralsはraimuをおぶってraychellの手を引き素早くその場を離れた。
かつて戦場となったところとは思えない静寂が辺りを包む。
捨てられた地の神殿があるエリアにたどり着いた。
打ち捨てられた盾にraimuをもたれさせ、光のチカラを分け与える。
大きく裂けた傷口は塞がり、彼女の顔色も改善した。
なんとかなったようだ。
{ごめんなさい…私のせいで…}
とraychellはとても落ち込んでいた。
《よくある事故や。気にしたらあかんで。》
[そうよ、気にしないで?]
{うん…。}
《具合はどうや!?》
[すっかり大丈夫そうだね…もう立てる。キミのチカラには毎回脱帽するよ。]
《よかった…危険やからそのまま神殿に向かうで。》
[わかった。]
そうして彼らはそのエリアの精霊を解放し、蝕む闇を浄化して神殿へと向かった。