勝ちより価値有る物
「私には、先輩がいるのよ。とても頼れる先輩が。」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
私には、尊敬するraimuという名の先輩がいる。
彼女は雨林様のような髪型に、雨林様の加護付きの仮面をつけている。
私に全てを教えてくれた人だ。今の私があるのも、彼女のおかげである。
私が何か出来るようになると必ず褒めてくれた。
この地全域に眠る精霊を全て解放できた時。
雨林を羽根の管理をしながら一人で回れるようになった時。
峡谷のレースを転けずに止まることなく高速で滑り終えることができた時。
初めて捨てられた地の使命を一人で終えられた時。
ホバーではなく、滑空で長距離を安定して飛べるようになった時。
使命自体を一人で遂行できるようになった時。
羽ばたける回数が、先輩に追いついた時……。
いつも
[よく頑張ったね!sirutoはすごいよ!]
の言葉とともにぽんぽんと頭を撫でてくれた。
褒めてもらいたくて。早く追いつきたくて。私は頑張った。
困っている人を助ける習慣は、彼女がいつもやっている事だったので、自然と身についた。
思い出もたくさんある。
そのうちの一つ。在りし日のことを思い出していた。
「うぅ、やはり雨林は寒い…あまり得意なところじゃないんだよなぁ。」
[確かにね。ここは悲しい香りがする。森の嘆きなのかなぁ。でもね、周りに目を向けてみて?その中でも頑張って生きている生き物たちがいるんだよ。私はそんなここが好き。]
彼女は雨林に住まう生きとし生けるものたちを何よりも大切にしている雨林の大精霊様を尊敬していた。初めは雨林の大精霊様にいい印象がもてない星の子も多いだろう。私もその一人だったが、会うごとに動作の各所に伺える彼女の民たちや生き物への想い。皆の魂の安寧を想って希望を見出すその眼 。
人一倍、優しい心を持っているお方だった。
苦手意識を持っていた雨林や大精霊様の新しい一面を見れて、段々と私もここが好きになった。
先輩は、特殊なチカラをもっている。
彼女は星詠みだ。
いく場所や、各地を回る順番を星の言の葉を詠んで決めていた。
私が独り立ちしてどこにいても、たまにふらっと現れて、助言をしてくれる。
不思議だったが頼もしかった。ずっと見守られているような、そんな安心感があった。
彼女と最後に話した会話を私は今でも覚えている。
「神妙な顔をしてどうしたの?」
[星たちの輝きが鈍い。闇が溢れてきているのを感じる。]
「えっ、それ、大丈夫なの!?」
[……私は、私の使命を遂行するのみだ。頼もしい仲間もいる。私の心配はしなくていい。]
と先輩は少しの沈黙の後に言った。
何気ない会話だった。
その後にも何度か話したが、その全てが大切な思い出だ。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
私には、尊敬するraimuという名の先輩がいる。
彼女は雨林様のような髪型に、雨林様の加護付きの仮面をつけている。
私に全てを教えてくれた人だ。今の私があるのも、彼女のおかげである。
私が何か出来るようになると必ず褒めてくれた。
この地全域に眠る精霊を全て解放できた時。
雨林を羽根の管理をしながら一人で回れるようになった時。
峡谷のレースを転けずに止まることなく高速で滑り終えることができた時。
初めて捨てられた地の使命を一人で終えられた時。
ホバーではなく、滑空で長距離を安定して飛べるようになった時。
使命自体を一人で遂行できるようになった時。
羽ばたける回数が、先輩に追いついた時……。
いつも
[よく頑張ったね!sirutoはすごいよ!]
の言葉とともにぽんぽんと頭を撫でてくれた。
褒めてもらいたくて。早く追いつきたくて。私は頑張った。
困っている人を助ける習慣は、彼女がいつもやっている事だったので、自然と身についた。
思い出もたくさんある。
そのうちの一つ。在りし日のことを思い出していた。
「うぅ、やはり雨林は寒い…あまり得意なところじゃないんだよなぁ。」
[確かにね。ここは悲しい香りがする。森の嘆きなのかなぁ。でもね、周りに目を向けてみて?その中でも頑張って生きている生き物たちがいるんだよ。私はそんなここが好き。]
彼女は雨林に住まう生きとし生けるものたちを何よりも大切にしている雨林の大精霊様を尊敬していた。初めは雨林の大精霊様にいい印象がもてない星の子も多いだろう。私もその一人だったが、会うごとに動作の各所に伺える彼女の民たちや生き物への想い。皆の魂の安寧を想って希望を見出すその
人一倍、優しい心を持っているお方だった。
苦手意識を持っていた雨林や大精霊様の新しい一面を見れて、段々と私もここが好きになった。
先輩は、特殊なチカラをもっている。
彼女は星詠みだ。
いく場所や、各地を回る順番を星の言の葉を詠んで決めていた。
私が独り立ちしてどこにいても、たまにふらっと現れて、助言をしてくれる。
不思議だったが頼もしかった。ずっと見守られているような、そんな安心感があった。
彼女と最後に話した会話を私は今でも覚えている。
「神妙な顔をしてどうしたの?」
[星たちの輝きが鈍い。闇が溢れてきているのを感じる。]
「えっ、それ、大丈夫なの!?」
[……私は、私の使命を遂行するのみだ。頼もしい仲間もいる。私の心配はしなくていい。]
と先輩は少しの沈黙の後に言った。
何気ない会話だった。
その後にも何度か話したが、その全てが大切な思い出だ。