腐蝕の雨、忍び寄る闇

大神殿に入ると、あちらこちらに蝕む闇が見えた。

『これが言っていた大きな蝕む闇?』

一際大きな蝕む闇をirisが指差す。

「ええ、これよ。」

『確かに溶かすの大変そう…』

「途中で光を当てるのをやめてしまうと再生してしまうのよ。」

『うわ、大変!』

それから二人で四苦八苦しながら巨大な蝕む闇を溶かし終えた。

その後、台のようなところに羽ばたいて登り、神殿の菱形の装置に灯りを近づけ装置を動かす。
祭壇が出てきた。
祭壇前の蝋燭に火をつけ、祈りを捧げる。


irisは、胸の前に光を抱いて雨林の大精霊の元を訪れた。
大精霊は、金床を飛び越えてこちらに向く。切長な眼が印象的の綺麗な精霊だった。
irisが手元の火と、大精霊を交互に見つつまごまごしていると、大精霊はirisの光を手荒くぶんどった。

そしてその光を何かしらの石のカケラで包んで八面体を作り上げた。
それを宙に浮かべる…

そこでirisの意識が現実に引き戻された。

『雨林の大精霊様、綺麗な人だった。』

「冷たいお方のように見えるかもしれないけれども本当はとても優しい人なのよ?」

『上の装置を起動するために何も言わなくても灯を加工してくれたもんね!』

上の方にある黄金の装置が回転し始め、神殿の横が開き、マンタたちが入ってくる。
さっきの八面体はこれを動かすためのものだったのだろう。

何重にもなった扉が開いていく。その先には、光溢れる森が広がっていた。

『素敵!』

「雨林も以前はこんな感じだったのかもしれませんね」

左の方の切り株の上に佇んでいた光の子を救出する。

それからしばらく光の森を堪能したirisとsirutoは次のエリアに続く雲のトンネルに向かって羽ばたいていった。
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