腐蝕の雨、忍び寄る闇

新しい場所は、緑の匂いが濃い場所だった。
背の高い木が立ち並んでいる。どれも白くて綺麗な幹だ。

雲の下に向かうようにエリアが続いている。崖からするりと飛び降り、滑空して地面に向かう。降り立つと、目の前には重厚な門があった。

『門だ!』

「立派よね。」

菱形のところに光を灯す。ガラガラと音を響かせ、門が開いた。

門の先は、中庭のような光景が広がっていた。

そこに差し掛かるや否や、突如雷が鳴り響き、雨が降り出した。

irisが雨にあたった途端、

『うわっ!』

と声を上げた。光のチカラが奪い取られた感触がしたのだろう。

「ここの雨は光を蝕むのよ…だから気をつけて。」

そう言ってsirutoはirisに手を差し伸べた。
光の蝶がいるところまで連れていき、チカラを回復した。

雨の中を進むのではなく、廊下のようなところを通り迂回する。
その先にいた精霊の魂の記憶を辿った。

精霊の魂は光の筋となり、雨の中、木の根元の空間に身を寄せるように進んでいく。
irisとsirutoも後を追う。

雨にあたったからか、精霊はガタガタと震えている。
irisも寒さを感じ、身震いをした。
精霊を大神殿に送り出した後、irisが言う。

『うぅ…やはり寒いですね…』

「そうね…。」

光のチカラが奪われるため、必然的に体が冷える。irisとsirutoは身を寄せあうよう。

(二人でいると、雨で削られた光のチカラが回復するからいいわね…。でも、チカラってこんなに回復したかしら…。いえ、気のせいね。)

次なる門の前にいる光の子を救い出し、扉を開け、彼女らは先に進んだ。
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