陽だまりの中で

神殿を抜けて雲の上を飛び、細く続く道を歩いた後、双岩の間を通り抜ける。
すると、視界が開け、まるで絵画のような風景が広がった。

『わあ!すごく綺麗!』

「孤島とはまた違った魅力があるわよね。」

ふと下を見ると、先ほど解放した孤島の精霊がいた。彼もこちらに気がついたようで、手を振ってきた。

『あれ?さっきの精霊さんだ!』

「私達を見送りに来たのね。」

孤島のこの精霊は、道を示すことを生前にしていたことから、面倒見がいいのだろう。わざわざここまで足を運んで、星の子の持っているキャンドルと、さまざまなものを交換してくれるようだ。
旅をするのに役に立ったり、楽しめたりする魔法や、仮面、ケープ。種類や所持しているものは各精霊ごとに違う。

irisは、指をさすエモートに光のチカラを宿してもらい、今あるキャンドルを捧げて魔法をもらった。

精霊は、sirutoを一瞥し、岩壁に空いている、星の子一人が立ったまま入れるぐらいのアーチ状の穴が沢山空いている方を指差した。穴の壁には何やら絵が書いてある。

これの機能も忘れず説明してね、ということだろう。

「iris、ここの機能を説明しますね。」

ここは一種のドレッサー兼ショーケースだ。
精霊が所持しているケープや服を試着できる。

しかし、精霊の魔力でそこにあるだけなので、試着状態の服は他人には見えない上に、そこから持ち出すことは出来ない。
要するに確認だ。

そこで気になるのはそれらをどうやって手に入れるのかだ。

それは、星の子が各地に点在するキャンドルから収集した光を練り上げて作られた、純白のキャンドルを精霊に一定数捧げることでお礼として頂けるのだ。

精霊はキャンドルの光を取り込み、魂を維持するための光を手に入れることができ、星の子はおしゃれができる。

キャンドル収集が必要になるので、星の子は必然的に各地を回ることになる。それは使命と並行してできるので、まさにウィンウィンの関係である。

試着以外にもう一つのここの便利な点は、即着替えができることだ。
取得しているケープや服を連想して手を伸ばすと、次の瞬間には装着されている。
仕組みは不明だが、便利なので細かいことはいいだろう。
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