運命の交わる時

大神殿の入り口まで歩き、扉の前まできた。

「ここに光のチカラ、もといキャンドルで火を灯すと扉が開くわよ。」

と言って扉の菱形の仕掛けを指し示した。

『わかりました!』

キャンドルを胸の内から取り出し、炎を菱形の部分に近づける。すると、その菱形が光り、重々しい石の音がして、扉を止めていたものが上に上がる。


扉が開いた。


その先には、先ほど救い上げた精霊の魂が待っていた。
その精霊が、祭壇前ににirisとsirutoを導く。
sirutoはirisに、祭壇の前にある白い一本のキャンドルに火をつけるよう促した。
火を点けたのちに、座って祈りを捧げる。
sirutoとirisの頭の中に、情景が流れてきた。



irisの目の前に、巨大な一本のキャンドルがある。そこに向かって荘厳な雰囲気の老人が歩いてくる。孤島の大精霊だ。しかし、その仮面は砕けてしまっている。

大精霊は、巨大なキャンドルによろめきながら近づくと、その光を杖で掬うようにして取り、そのチカラを自身に取り込んだ。

衣服に輝きが戻り、仮面も修復されていく。大精霊は元気を取り戻し、魔法を使って鳥たちを導いた。そしてirisの方に向き直り、お礼を言うかのように頷いた。
irisも頷き返す。



二人の意識が現実に戻った。



すると、祭壇のありとあらゆる仕掛けが動き、光の生物たちが入ってきた。
ゆっくりと次なる場所へつながる扉が開く。

irisがsirutoに問う。

『さっきの、大精霊さん?』

「ええ、孤島の大精霊様よ。無事に光のチカラを届けられたのね。」

『はい!』

「さあ、次へ行きましょうか。」


irisとsirutoは立ち上がり、共に扉をくぐる。
柔らかい日差しが二人を包んだ。

二人は手を繋いだまま、新たな地を目指して飛び立った。
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