あの日の約束

『うへぇ、砂まみれぇ……。』

《う……ん…ホームに戻ってきたか。》

cralsは辺りを見回してそう言う。

「ええ……そのようですね。cralsさん、私たちは使命を続行しようと思うのですが、これからどうされますか?」

《ああ、せやな。使命は何よりも優先せなあかん。この事は俺に任せとき!》

cralsはもう使命を終えていたので、この石を届けることにする。

「ありがとうございます!」

『cralsさん、またね!』

手を振って別れ、cralsは一人ホームに残り、sirutoとirisは舞い戻りの像から捨てられた地へと戻っていった。



書庫の二階に上がり呼びかける。

【こんにちは。】

{もしかして、なにか見つかったの?!}

【先程、激しい揺れを感じました。それと関係が?】

《ああ。まさにその件や。》

{説明ちょうだい!}

《実はな……。》

cralsは今しがた体験してきたことを事細かに話した。

【原罪から……闇が……!?】

etioが珍しくぎょっとした顔をする。

{それ……やばいね……どうなっちゃうの……?}

touraは明らかに焦り出す。

《もう浄化してきたから一旦は大丈夫や。あと、そこの空間でこんなのを拾ったんやが……。》

【記憶の原石。】

etioがそう呟く。

《記憶の……?》

{記憶媒体に埋め込むやつの名前だね。}

touraが説明しながら原石をはめる。

映像が壁をスクリーンとして浮かび上がる。

〝渦巻くはぬくもりなき光
此処は身を任せる流れもなく
歌声は虚にのみ込まれた
惑い迎えし終は、永遠の静寂〟

詩のような旋律で、状況が語られる。
クラゲが漂っていたが、強い闇の影響で一匹、また一匹と姿を消していくものであった。
残ったのは闇と静寂。

映像が終わる。

《これは……何を言いたいんだ?》

【恐らくこの闇についての説明……?かと。】

{なるほどねぇ……。これだけじゃあよく分からないなぁ。さすがに闇が降るのは一回きりじゃないと思うから、これからもまた集めてきてくれる?なにか繋がるかもしれない。}

《せやな。そうするわ。解析ありがとうな!》

まだまだこの謎の現象についても、raimuの闇についても情報を集める必要がありそうだ。
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