あの日の約束

目が覚めると、そこは捨てられた地ではなかった。

《……ここ、どこだ?》

「原罪の後のエリアのような雰囲気ですね……。」

ここは本当に天空へ向かう転生の器が置いてある場所のような色合いをしている。

ふと虚空を見ると、無数の光のクラゲが宙に浮いていた。
しかしそれは皆静止している。どうやら記憶の一部分のようだ。

身体を起こすと、青色の半透明な何かが目の前に浮いているのが見えた。
ひび割れた……正四面体を上下にくっつけたようなものだ。

《なんやあれ。》

「分かりませんよ……cralsさんが見て分からないものを私に聞かないでください。」

『宝石みたい!あとクラゲがたっくさんいる!』

irisは石より静止クラゲに興味津々のようだ。
目を輝かせて眺めている。

cralsは恐る恐る石に近づいて触れてみる。
するとその石は、一瞬光を放ち、書庫の記憶媒体にはまっているようなものが生み出された。
それはぽとりとcralsの手に落ちる。

《……これって!》

「もしかして!」

『なにかあったの?!』

irisが数多のクラゲから視線を外し、二人のそばに駆け寄って聞く。

「ええ、raimuさん復活の手がかりになるかもしれないものです。」

『おお!探してたものだ!』

これを記憶媒体にはめ込めば何かが見れるかもしれない。

目の前に、女神像が見える。

《あそこから戻れるかもしれへんな。》

cralsはそう言って女神像へと向かい、瞑想をした。
二人もそれに続いた。
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