あの日の約束

闇のカケラは容赦なく降り注ぐ。

cralsは光の呼び声をあげて闇のカニを引きつけ続ける。

《あっ、やっば!》

避けた先にもう一体闇のカニが突進してくるのが見えた。咄嗟に避けられる訳もなく、突き飛ばされる。しかも運が悪いことにその先には光をチカラを蝕む石があった。モロに当たってしまう。

《ゔっ!》

怪我こそしなかったが、光のチカラを相当奪われてしまった。
そこに迫る闇のカニ。

「cralsさん!」

sirutoが光の呼び声を上げる。カニは皆sirutoの方へ突進する。
その隙にirisがcralsの光を回復する。

《ありがとさん!カッコ悪いとこ見せてもうたな。》

「そんな、こんな数引き連れて、かわせるのがすごいですよ!」

sirutoはあたふたしながらなんとか立ち回る。

《そうか?まぁもう一踏ん張りやな!》

『頑張るぞ!』

cralsは引きつけながらも焼くのを手伝った。カニの声で判断し、避けるのが吉だという結論に至ったからだ。
冷静なだけあって、状況の飲み込みが早い。

蝕む闇の浄化が終わると、一番大きいカケラが崩れ、瞑想をする光の輪が現れた。

「なんでしょうか、これ…。」

《座ろう。この状況がなんとかできるかもしれん!》

『そうだね!』

とりあえずやってみよう精神だ。

三人は急いで座って瞑想をする。
すると、光に包まれたカニが四方八方に現れた。

『これ…精霊と同じ…記憶の破片だ…。』

感受性の高いirisがぼそっとつぶやく。精霊の時と似たものを感じたのだろう。

《集めよう。》

そうcralsは皆に呼びかける。

「わかりました!」

『はい!』

sirutoとirisが返事をした。

闇の破片や、蝕む石を背に生やした闇のカニを避けながら散らばっている記憶を集める。一箇所に留まることはないので、蝕む闇を浄化するのよりも容易に、crals達は闇を浄化する事が出来た。

闇が浄化された後、crals達をふわりとした感覚が襲う。

皆は吸い込まれる様に意識を飛ばした。
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