あの日の約束

それから更に三日後。

etioとtouraが書庫の一回で作業をしていると、入口の方が何やら騒がしくなった。

touraがそっと覗きに行くと、驚きの光景が広がっていた。

うず高く積み上げられた記憶再生の箱。
それが何列も。

通路が完全にふさがってしまうレベルであった。
それを手早く片付ける雨林の大精霊様直属の部下の精霊達。

touraは混乱して、記憶再生媒体の仕舞う場所がまだあってよかった、などという全く見当違いの安心をしてしまう程であった。

【toura様、どうかしま…………】

様子を見に来たetioも絶句している。

《騒がしくしてごめんな、報告を兼ねてお礼をしに来たんよ。》

箱の山の奥からcrals、raimu、sirutoとirisが飛んできた。

crals曰く、raimuは光が通常の二~三倍の速さで減ってしまい、回復が遅い、という後遺症は残るものの、cralsと共になら問題なく使命をこなせるようになったそうだ。

その報告を聞いてtouraとetioは安堵した。

《それから…………あの日の事、しっかり謝らせて欲しい。》

cralsがそう切り出す。

ホームで再び喧嘩をした後、cralsはsirutoにこっぴどく叱られたらしい。
焦っているとはいえ、協力者の献身的な活動を冒涜するのは許せないということを、切々と語られたそうだ。

cralsはその時、自身の言動の浅はかさを後悔したそうだ。
その事を説明してから、

《本当にごめんなさい。》

とcralsは深く頭を下げた。

{……そうだったのね。あの時は悲しかったわ。だけれどもあなたの助け無しではここまで来られなかった。助けてくれてありがとう。}

touraはにっこりと笑って応えた。

皆の話が終わったのを確認して、irisが

『箱、運ぶの手伝って来ようよ!』

と言った。

[そうだね、手伝おうか!]

とraimuが言った。

そこから皆で談笑しながら記憶再生媒体の運搬、交換を行った。

皆が帰った後、etioがtouraに言った。

【必ず助ける。というあの日の約束、守れて良かったですね。】

{うん!本っ当によかった!}

ピカピカの記憶再生媒体が輝く部屋の中、二人はそう言った後、眠りに落ちた。
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