あの日の約束

《やはり慣れていても滑るなぁ。》

cralsがそう呟く。

「わかります。調子がひどいときは滑落しすぎて途中でやめたくなりますもの。」

touraはcralsの手の届く位置まで焼くと、sirutoの方へ戻った。

根元の部分までたどり着いたが、ここから一向に浄化されている気配がしない。焼ける音はするものの、光と闇が拮抗しているようだ。

「どうしましょう…。」

sirutoが困った顔をする。

{白いキャンドルはどう?}

touraが白いキャンドルを取り出しながら言う。

《物は試しや!》

sirutoとcralsも取り出して浄化を試みる。

すると、少しではあるが闇が小さくなりだした。

「もうちょっと!」

完全に蝕む闇が消え去った。

{やったわ!}

しかし、真ん中の黒い塊は浄化されない。

《真ん中の塊……なくならんやんけ。》

「あ、希望のチカラが!」

なんと闇は希望のチカラまでも吸い込み始めたのだ。





光のチカラがすべて剝がされてしまった。





状況は今度こそ絶望的か、と皆が覚悟したとき、黒い塊に変化が起きた。

内側から光が溢れ、自壊し始め、ぼろぼろと崩れ落ち、きれいさっぱりなくなった。
中からraimuの幻影が現れ、皆に笑いかけた後粒子となり、皆のケープエナジーを回復した。

あまりに突然の出来事であったために、皆呆然としてしまった。

《終わった…のか……?》

cralsが虚空に疑問を投げかける。

「わかりません…。」

{見て、崩れてきている!}

touraが天井らしき場所を指さした。
たしかにひびが入っている。

{心域に取り残されると存在が消滅するわ!走って!}

touraが叫んだ。
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