あの日の約束

「…なかなか見つかりませんね。」

sirutoはだだっぴろい真っ黒い空間をひたすら真っすぐ走る。

「……?」

目の前に光の玉が現れた。ついてきてほしそうにくるくると回っている。

sirutoが進む意思を見せると玉はすうっと進み始めた。
しばらく進むとその玉は停止し、まばゆく光り始めた。

sirutoはあまりのまばゆさに目をつぶった。




目を開けると、そこは草原であった。三つの鐘のある場所の一つに使命の旅を始めたばかりのかつての自分とraimu先輩が居た。

頭上からraimuの声が聞こえてきた。

[私ね、この時にsirutoに出会えてよかったと思っているの。貴女の存在は私がこの使命の旅を続ける原動力になったのよ。ありがとう。またsiruto一緒にと一緒に旅をしたい。こんな所で終わりたくない!]

raimuがそう叫ぶと同時に記憶は終わった。

sirutoはふと下を見ると、自身の身体が光り輝いているのが見えた。

「raimu先輩…ありがとうございます。」

sirutoはそう呟き、元来た道を引き返し始めた。

cralsも光の玉を追いかけていた。
それはまばゆく光り、記憶を映し出す。

それは、raimuが様々な人や道中で困っている人に話しかけたりしながら共に使命を遂行している場面であった。
しかし、その場からだんだんといろんな人が遠ざかっていき、最後に残ったのはcralsのみであった。

[私ね、いろんな人に声かけていたの。だって独りはさみしいから。でも、ずっと私に付き合ってくれたのはsirutoが現れるまでcralsだけだった。ねぇ、これからも一緒にいてくれるよね…?]

その言葉を最後に、記憶は終わった。

《あったりまえやろ。》

そう暖かい笑みを浮かべながらcralsは言い、自身に満ちる光のチカラを携え闇の場所に向かった。

時を同じくし、touraも光の玉で記憶を見ていた。

siruto、iris、cralsに囲まれ、幸せそうに笑っているraimuが居た。

[麗しき協力者さん、ここまで彼らを導いてくれたみたいだね。ありがとう。私は彼らから希望をもらった。今度はキミやキミの縁者とも旅をしてみたいな……この浄化、頼まれてくれるかい?]

{もちろんよ、そのために来たのだから。}

touraがそう応えると記憶は終わった。

{さぁ、ちゃちゃっと終わらせるわよ!}

そう言ってtouraは走り出した。
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