あの日の約束

《縁って言うのはな、彼女にとっての信頼の証、みたいなもんなんよ。話したり、様々な感情を共に過ごして育んでいく。一度つないだものは彼女はとても大事にする。そんな寛大な彼女が縁を切る……相当な事やで?》

「だからこそ気にしているのかもしれませんね。」

{そうね……まだ先に続いているわね、行ってみましょう。}

歩いた先にあったのは何やら大きい黒い塊であった。
地面に突き刺さっている。

「王国に降ってきたものと似ているわね。」

sirutoが言った。

{遂に着いたわ。ここが闇の根源ね。}

touraは顔を引き締めた。

《ついにか!》

craisも拳を握りしめる。

塊は漆黒の輝きを放ち、辺りの光を吸い込んでいるように見える。
その周りには、巨大な蝕む闇が多数生えている。

「手分けして焼きましょう。」

そういってsirutoが黒い塊にほんの少し近づくと、あっという間にケープエナジーが無くなってしまった。

「きゃあ!?」

cralsがsirutoの腕を掴んで引き寄せた。
エナジーが回復する。

{こ…こんなんじゃ焼けないわね。闇が育ちすぎたんだわ!}

touraが困った顔をする。

「どうすればいいんでしょう…。」

{まだ方法はあるわ!彼女にとっていい記憶、希望の記憶をここに集めて闇を打ち払うの!}

《そんな方法があるんか!》

{ええ、最終手段だけれどもこれならなんとかできるわ。でも、時間をかけすぎちゃいけないから手分けするわよ!}

「わかりました、では私はこっちに行ってみます!」

《じゃあ俺はこっちやな。》

{じゃああたしはこっちね。}

皆はぞれぞれ三方向に分かれて走った。
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