あの日の約束
数日後、cralsは、草原の神殿の上で、原罪の方を眺めていた。
ここ数日、空の様子がおかしい。
原罪の方面が赤みを増している様に思える。
この様子では何かが起きるであろうと思い、使命が終わり次第監視をすることにしたのだ。
一閃。原罪が緋色に禍々しく光る。遅れて地を揺るがす轟音が響いた。
cralsは思わずバランスを崩し、神殿の装飾の先端から落下する。
《うわっ!》
地面に激突する寸前に体を捻り、受け身を取る。
体勢が不安定な時に羽ばたくのは危険だ。
cralsは我ながら身のこなしが軽くてよかったと思った。
原罪から闇が噴き出してくる。
光のチカラを蝕む石が落ちてくる。
《なんやこれ……?!原罪から……石が……!》
こちらに向かってくるように見える。
《このままじゃ王国のどこかに落ちてまう!これはあかん!》
そう独り叫んだ彼はすぐさま祈りを捧げ、ホームへと舞い戻った。
異変はホームにも現れていた。
ホームには、各エリアへ続く架け橋となる扉がある。
好きな時に別のエリアへ赴くことが出来るのだ。
そこの捨てられた地へ続く扉が、闇のチカラに浸蝕されていたのだ。
《え……ゲートが……。はっ、今日の日課は捨てられた地!siruto……iris!》
彼は迷わず扉に飛び込んだ。
一方その頃、やっと慣れてきた捨てられた地で使命を遂行していたsirutoとiris。
方舟エリアの半分に差し掛かった所で辺りが赤く染まったかと思うと、轟音が響いてきた。
突然の事で驚き慌てる二人。
「え、何があったの!?」
『うわあ!』
irisは恐怖からsirutoに抱きついた。
呆然とする二人。容赦なくカケラは降ってくる。
墜ちたカケラの周りに蝕む闇が発生する。
どこからともなく発生した羽のチカラを蝕む石を背に生やした闇のカニが彼女らを目掛けて突進してくる。
彼女らが衝撃に備えて身体を縮めたところに、サッと人影が横切る。
カニはその人影に食らいつく。
「cralsさん!」
彼がsirutoとirisを庇ったのだ。
帽子と服は転がったため砂にまみれている。
《いてて……こっわ!随分と凶暴なカニやな?!思ったよりぎょうさんチカラ持ってかれたんやけど!》
「大丈夫ですか!?」
《こんなんかすり傷や、気にせんでええ。それより、この闇を浄化せんとあかんとちゃうん?これ、かなりやばいで。》
「そうですね…まずあのカニをひっくり返さないと!」
そう言ってsirutoは闇のカニの近くで大きく光に呼びかけた。
しかし、カニは怯んだものの、光に集まるように襲い掛かってきた。
「きゃぁ!?」
《あぶなっ!》
cralsがsirutoを突き飛ばし、カニの攻撃から守る。そして自分は飛び上がり、かわす。
「どうして…呼び声が効かない…。」
『どうすればいいの!?』
irisがsirutoに駆け寄って抱きついた。恐ろしいのだろう。
《うーん……俺が引きつけるわ。》
「え…。」
《状況を見るに、対処法が分かるまで誰かが囮にならんとあの闇は焼けん。なら、光の多い俺がやる。》
『で、でも!』
《安心しぃ?そう簡単にくたばるほどやわじゃない。》
「……わかりました。でも、無茶はしないでくださいね。」
《わかっとる。》
そう言ってcralsは背中の杖を構える。
《ま、これは武器やないんやけどな。ほな、なんだかようわからんけど楽しませてもらうで?》
cralsは意地悪く笑いながらそう呟いた。
これは、なにか重要な転機になる。
cralsは長年の勘でそう思っていた。
光の呼び声をあげて、凶暴化した闇のカニを引きつける。
単調に真っ直ぐ迫ってくるカニたちを右へ左へ軽くかわしていく。
sirutoとirisは一生懸命闇を焼いた。
ここ数日、空の様子がおかしい。
原罪の方面が赤みを増している様に思える。
この様子では何かが起きるであろうと思い、使命が終わり次第監視をすることにしたのだ。
一閃。原罪が緋色に禍々しく光る。遅れて地を揺るがす轟音が響いた。
cralsは思わずバランスを崩し、神殿の装飾の先端から落下する。
《うわっ!》
地面に激突する寸前に体を捻り、受け身を取る。
体勢が不安定な時に羽ばたくのは危険だ。
cralsは我ながら身のこなしが軽くてよかったと思った。
原罪から闇が噴き出してくる。
光のチカラを蝕む石が落ちてくる。
《なんやこれ……?!原罪から……石が……!》
こちらに向かってくるように見える。
《このままじゃ王国のどこかに落ちてまう!これはあかん!》
そう独り叫んだ彼はすぐさま祈りを捧げ、ホームへと舞い戻った。
異変はホームにも現れていた。
ホームには、各エリアへ続く架け橋となる扉がある。
好きな時に別のエリアへ赴くことが出来るのだ。
そこの捨てられた地へ続く扉が、闇のチカラに浸蝕されていたのだ。
《え……ゲートが……。はっ、今日の日課は捨てられた地!siruto……iris!》
彼は迷わず扉に飛び込んだ。
一方その頃、やっと慣れてきた捨てられた地で使命を遂行していたsirutoとiris。
方舟エリアの半分に差し掛かった所で辺りが赤く染まったかと思うと、轟音が響いてきた。
突然の事で驚き慌てる二人。
「え、何があったの!?」
『うわあ!』
irisは恐怖からsirutoに抱きついた。
呆然とする二人。容赦なくカケラは降ってくる。
墜ちたカケラの周りに蝕む闇が発生する。
どこからともなく発生した羽のチカラを蝕む石を背に生やした闇のカニが彼女らを目掛けて突進してくる。
彼女らが衝撃に備えて身体を縮めたところに、サッと人影が横切る。
カニはその人影に食らいつく。
「cralsさん!」
彼がsirutoとirisを庇ったのだ。
帽子と服は転がったため砂にまみれている。
《いてて……こっわ!随分と凶暴なカニやな?!思ったよりぎょうさんチカラ持ってかれたんやけど!》
「大丈夫ですか!?」
《こんなんかすり傷や、気にせんでええ。それより、この闇を浄化せんとあかんとちゃうん?これ、かなりやばいで。》
「そうですね…まずあのカニをひっくり返さないと!」
そう言ってsirutoは闇のカニの近くで大きく光に呼びかけた。
しかし、カニは怯んだものの、光に集まるように襲い掛かってきた。
「きゃぁ!?」
《あぶなっ!》
cralsがsirutoを突き飛ばし、カニの攻撃から守る。そして自分は飛び上がり、かわす。
「どうして…呼び声が効かない…。」
『どうすればいいの!?』
irisがsirutoに駆け寄って抱きついた。恐ろしいのだろう。
《うーん……俺が引きつけるわ。》
「え…。」
《状況を見るに、対処法が分かるまで誰かが囮にならんとあの闇は焼けん。なら、光の多い俺がやる。》
『で、でも!』
《安心しぃ?そう簡単にくたばるほどやわじゃない。》
「……わかりました。でも、無茶はしないでくださいね。」
《わかっとる。》
そう言ってcralsは背中の杖を構える。
《ま、これは武器やないんやけどな。ほな、なんだかようわからんけど楽しませてもらうで?》
cralsは意地悪く笑いながらそう呟いた。
これは、なにか重要な転機になる。
cralsは長年の勘でそう思っていた。
光の呼び声をあげて、凶暴化した闇のカニを引きつける。
単調に真っ直ぐ迫ってくるカニたちを右へ左へ軽くかわしていく。
sirutoとirisは一生懸命闇を焼いた。