あの日の約束

そこに歩み寄る者が一人。
touraはその者が誰であるかに気が付き、ぎこちなく声を掛けた。

{crals……。}

《…………。》

二人とも気まずそうに目を逸らした。

「とりあえず物陰に移動しましょう。」

sirutoが暗黒竜の気配に気が付き、etioの居る物陰に皆を移動させる。

【siruto、cralsさん、手伝いに来てくださったのですね?ありがとうございます。】

気まずそうな雰囲気を察してか、etioが口火を切った。

《……ああ。悪い事したと思ってな。全て終わったらまたしっかりと謝らせて欲しい。》

cralsは俯きながらそう言った。

辺りは静まり返り、光に飢えた暗黒竜が通過する音だけが響き渡る。

{…………うん、分かった。結局、この作戦、あんたのチカラ無しじゃ成し遂げられない。だから今は協力しよう。}

《また……よろしくな。》

cralsがおずおずとそう言った時、

『あ!みんないたいた!』

という明るい声が響く。

「あ、iris?!」

《siruto、留守を頼んどったよな?》

「ええ……そうよ…凄いじゃないiris!」

『ふふふ、私だって成長してるんだよ!それに……ちょっと寂しかったからsirutoの真似して頑張ったよ!』

実は今回、危険なものになると予想して、irisには事情を話して留守を頼んでいたのだ。

まだまだiris一人で捨てられた地を冒険するには難しいと考えていただけに、sirutoの驚きは相当なものであった。
ここまで来られるのであれば大丈夫であろう。
動きは皆に合わせればいい。

皆が勢揃いした所で、浄化の再開だ。
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