あの日の約束

etioは装置を起動させて上に向かったり下に向かったり、忙しなく動いている。

しかし、しばらく経って戻ってきたetioの顔は暗かった。

【大変申し訳ありませんが、ここには御座いませんでした。禁書エリアまで探したのですが、残念ながら……。】

{あちゃぁ……無いんだってさ……etio、ありがとう。}

【とんでもございません。皆様を待たせてしまったのに成果が得られず不甲斐ないです。】

《そんなに気に病む事じゃないで……?》

「ええ、気にしていないわ。」

【有り難きお言葉。】

etioが深々と頭を下げる。

{無いなら収集するしかないねぇ。}

touraがそう言った。

「収集、できるの?」

{うん。ちょっと時間かかっちゃうけれどもこっちで色々探してみる!}

「ありがとう、toura。」





少しの間を置いて、

《……なぁ、そういえば思ったんやけど、俺たち初対面なのになんでそんなに信用してくれるん?》

とcralsは気になった疑問を投げかけてみた。

初対面なのに随分と打ち解けるのが早い。
会う人全員こんな感じであったらかなり危ない。

{ああ、だってあんた悪い子じゃないもん。魂の灯火の色で分かるよ?あたし。}

【ええ。toura様がそう仰るのでしたらそうなのでしょう。】

touraの言っている魂の灯火、がよく分からないが恐らく本人の性格等の色なのだろう。

それで見極められるのか……とcralsは納得した。
超越的なチカラは自身も持ち合わせているため、今更驚くことでは無い。
etioがtouraに対して右にならえ、なのがとても気になるがここは深く聞くべきではないだろう。

《そうなんやな。教えてくれてありがとう。》

{えへへ、どういたしまして!}

「にしても……膨大な情報の中から探し出すの、相当負担が大きそうだけれども大丈夫なの?」

sirutoは心配になり、二人にそう聞いた。

{気にしないで!あたし、その人助けたいし!}

【 問題ございません。toura様がやりたいようなので、自分はそれに従うまでです。】

二人ともやる気満々のようだ。それなら安心である。

「じゃあとりあえず、この件は一旦任せるわね。」

【ええ。】

{うん!何か分かったら教えるね!}

そう約束し、一旦その場はお開きとなった。
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