あの日の約束

{あたしの力が使えないかな、って考えてたの。確証はないんだけれどもね……。}

確証がない、という言葉にcralsが反応した。

《確証が無い?!そんな方法呑めるわけないやろ。時間が無いんだぞ!そんな事して間に合わんかったらどうするんや!……それとも徒労に終わったらあとは黙って絶望しようとでも?この期に及んでえらい適当やな。》

焦りが募っているのがわかるやたらと強い口調だ。

{ならこのまま何も方法が見つけれないままなのよ?そんなの見殺しにするのと一緒だよ。}

《なんだと!俺が彼女を見殺しにする……?ふざけやがって。お前は出会って間もないから軽くそんな事が言えるんよ。raimuとの仲の大切さを、お前はわかっていない!》

{そんな訳ないわよ!あたしだって……時間は浅いかもしれないけれど、大切な人の危機を救いたい気持ちは分かってる!}

彼女は決意の篭った瞳でcralsを見据えた。

{たとえこの方法が間違っていたとしてもあたしはやるからね}

cralsは少し黙り、

《…………もうええわ。この時間自体無駄や。》

と言い捨てるとホームへ帰って行った。

『cralsさん!』

irisがcralsを引き留めようとしたが、sirutoはそれを制した。

【toura様、その考察ですと……光のチカラをどこかで調達しなければなりませんが、その目処は立っておられるのですか?】

『その件なら心配ないよ!cralsは光のチカラを……あ、今無理だ……。』

irisがガックリと肩を落とす。
この調子では協力は見込めないであろう。

{……集めてみせる。自力で。きっと大丈夫。…………大丈夫。あたしなら出来る。}

touraはあくまで続行させる気のようだ。

それを不安そうに見つめるetio。

一旦その場はお開きとなった。
28/49ページ
スキ