あの日の約束

再びsirutoとetioはそれぞれirisとtouraをおぶり、記憶を集める。




記憶は割とすぐに集め終わった。

「終わりましたね。」

{やったー!}

皆が喜んでいる最中、etioは何か違和感を感じた。
空飛ぶ蝕む石がだんだん中央に集まって来ている……?!

【危ない!お前ら伏せろ!!】

etioは思わず叫んだ。
刹那、足元から立ち込めた黒い影がetioを覆い、彼女は腹に拳を叩きつけられたような衝撃を受けた。

皆の体が地面に這い蹲るようにピッタリくっ付く。

その頭上を蝕む石が高速で四散して行った。
伏せていなかったらどうなっていた事やら…………考えたくもない。




意識が遠のく……。




【アガァ……ゲェッホゴホ…………。】

etioの苦しそうな呻き声が鯨飛ぶ虚しく暗い天井に吸い込まれる。

「etio!大丈夫なの!?etio!」

【気にす…………お気になさらず、皆様は記憶を……。】

etioは顔を青くして、ケープエナジーをごっそり減らし、そこに居た。

《石に当たったのか?!》

【違い……ます、そっとしておいてくださ……。】

{etioは大丈夫よ、このままにしておいて。}

《でも…………。》

cralsが何か言いかけたがtouraが首を振ってそれを制した。

皆は心配するようにetioを見ながら記憶の原石を回収した。

{etio、大丈夫?}

touraが声をかける。

【…………ええ、大丈夫です。帰りましょう。】

フラフラとetioが立ち上がる。

「もう平気なの!?苦しいのなら無理はしちゃダメよ!」

sirutoがetioに聞く。

【立てますので平気です。】

etioがいつもの表情で頷く。
心配は残るが、etio本人がこの事を気にして欲しくない雰囲気であったので、ひとまずホーム経由で書庫に行くことにした。
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