あの日の約束

草原にてcralsは原罪の方面を定位置で見ていた。

前回と同じように空が赤みを増していき、轟音が轟いて闇が噴出する。

風圧を上手くいなしながら、どこに落ちたのか異変を確認するためにホームに戻る。


雨林のゲートが闇に染まっていた。

《神殿に近いとあかんかもしれんな…!》

raimuの身体の中の闇は、強い闇に反応して悪化する。

一定距離空いていても、不安である。何せあれは闇の塊だ。

その時、声がした。

{crals!またあたしも連れてって!}

touraだ。今日は珍しくetioの背中に乗っていない。
後ろを見ると、etioがフラフラとこちらへ向かってくる。
明らかに無理のし過ぎによる疲労が見えた。

【 toura様……自分がtoura様を守れるか確かでは無いので本日はお控えください。toura様に何かあったらと思うと!】

《ああtoura、今日はダメだ。etioは休息が必要や。見てわかるだろ?》

cralsもetioの為を思い、touraにそう言う。
それと同時に、etioにもっと休憩するように強く奨めておくべきであったと反省した。

{嫌だ嫌だ!行きたいの!cralsがおぶればいいでしょ?ね?ね?}

touraは聞かない。ぶんぶんと頭を振って抗議する。

《今回はetioが居ないから焼くのも引きつけるのも全てこちらに集中する事になる。連れていくのは無理や。》

【そうですよ……。危ないですから…………お控えください。】

etioがそれをたしなめる。

{もうっ!cralsとetioのばかっ!あたしだって、あんなの楽勝なんだからね!さっさと焼いて片づけちゃうんだから!}

touraは悔しさで涙目になりながらそう叫ぶと雨林のゲートに飛び込んでいってしまった。

【toura様!】

そう叫んでetioが走り出そうとするも倒れ込む。
相当具合が悪いようだ。

【ごめんなさいcralsさん、どうかtoura様を……。】

《分かった。任せとき!ちゃんと休んどくんやで! …………全く、人騒がせな。》

そう言ってcralsは雨林のゲートをくぐってtouraを追いかけた。
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