あの日の約束

cralsはraimuの所に訪れていた。
毎日欠かさず様子を見にくる。
もし、浄化の割合が崩れてきたら大変だからだ。

(まだ安定しとるがやはり怖いな。)

とcralsは思う。

体内に入ってしまった闇は、光を喰い、徐々に侵蝕作用を強めていってしまう。
均衡が崩れるのは時間の問題だ。

《焦っても仕方ない。時間が無いからこそ確実に、丁寧にやっていかな。》

このこともtoura達に報告しないとな、とcralsは呟いて、神殿を後にしようとしたその時、轟音がとどろいた。

《………っ!》

急いで外へ飛び出す。

雲ごしにでもわかる赤い光が上空を通り過ぎて行った。
急いでホームに戻る。


今回は草原のようだ。

方向的に、鳥の巣か楽園だろう。
空を見上げつつそちらの方面に向かう。

鳥の巣エリアに到着した時に、闇が頭上を通り越したので恐らく堕ちるのは楽園だ。
cralsは飛ぶ速度を上げて楽園エリアに突っ込んだ。



夕闇よりも赤く染った空。
災いが降ってくる。

楽園エデンは瞬く間に暗黒世界ディストピアと化した。

なんとも恐ろしい光景だ。
光の生物が逃げ惑っているのが見える。
楽園でくつろいでいた星の子たちが脇目もふらずに飛び去る。
こんなことに好き好んで首を突っ込む命知らずは目的があるcralsぐらいであろう。


早速焼くのに着手する。
気をつけておかなければ簡単に羽が散ってしまいそうだ。
しかし、楽園本島の開けた場所なので比較的焼きやすい。
幾らかダメージを食らうが、慣れているため対処ができる。

蝕む石を背負った闇のカニが程よく散っていたので、今回は驚くほど簡単に焼き終えた。

瞑想し、現れたクラゲの記憶をさっくり集め、記憶の原石を入手し書庫へ向かった。
11/49ページ
スキ