流星の四重奏

次は水だ。

《ええっと次は…“峡谷の雪解け水”…か。》

聞いた時になんとなく見当はついた。
やはり隠者の峠にいる、ハグ好きの隠者に貰ってくるのだそうだ。

風の街道を経由して向かう。

ここを使うと直ぐなのだ。
あっという間に着いた。

雪に覆われた家を覗いてみる。

果たして隠者はそこに居た。

何やらツボを運ぼうとしている最中の様だ。

隠者がcralsに気がつく。
cralsが気さくに手を振って近づくと、隠者は彼を軽々と抱き抱え、ハグをした。
ふわふわだ。

挨拶が終わり、何をしていたのか聞くと、隠者はこれから秘境に水を汲みに行くところだと言った。

目当てのものはそこにあるだろう。連れて行ってもらう事にした。

リフトの到着場所まで降りる。

ここのリフトは少し蛇行している。そして、その蛇行しているところに雪解け水があるそうだ。

普段はリフトを使わず、逆風なんてなんのその、と気合で飛んでいっているが、たまにはこういうのもいい。

隠者に連れてきてもらったお礼のハグをした。

本当は持ち上げてハグしたいが、そんなことをしたらcralsの腰が砕けてしまうだろう。

水をたっぷりと汲んで蓋をしっかりと閉める。
これでしばらくは困らないだろう。


問題はどう運ぶかだ。リフトにのせ、峠まで戻ってきたはいい。
光のチカラを増幅させ、水を持ったまま飛ぶことはできるが流石に長時間飛ぶことはできない。
身体を壊してしまう。

《あ、そうや!》

風の街道のマンタが牽引するリフトに近場まで乗せてもらう事にした。

一旦水のツボを置いておいてもらい、街道の案内人にマンタリフトの貸し出しを願い出た。
cralsは、皆と街道の危機を救ったこともあるので案内人は快く貸してくれた。

マンタリフトが後ろについてきていることを確認して街道を出る。

隠者が運びやすい位置にツボを置いておいてくれた。
別れとお礼のハグをし、ツボをリフトに積む。

街道を抜け、雨林の洞窟の一番上でマンタリフトが停まる。ツボを降ろし終わるとゆっくりと去っていった。

《ありがとな〜!》

手を振って見送った。

洞窟を出る。

《よし、いくで。》

そう独り言を呟き、自身の中にある光を増幅させる。
身体がシャイン魔法を使ったように輝く。

ツボを持ち上げおばさんのところまで運んだ。

指定の場所に置き、増幅を解除する。
シロップも懐から取り出し棚に置いた。

なんとか間に合うようだ。
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