流星の四重奏

sirutoとirisは使命を一段落させホームに舞い戻ると、raimuとcralsが何やら言い争っているのが見えた。

[私は意見を曲げたくない。だからキミの意見には賛同出来ないね。]

《俺も曲げへんで。妥協は無理や。》

「二人ともどうしたのですか!?」

sirutoが間に割って入る。

[ちょっと聞いてよsiruto!]

《あっ、何味方作ろうと抜け駆けしてんねん!》

そう言ってsirutoを二人で掴んでまた言い合いをする。

sirutoは困惑して放心状態。
長くなりそうだ。

『あ、あの!』

見かねたirisが声を上げた。

『よくわからないけれど、このままじゃ終わらないから…峡谷のレースで決めればいいんじゃない?』

raimuとcralsが顔を見合わせ、数秒後ニヤリと不敵に笑う。

[それがいいな!このままだと埒が開かない。]

《望むところや!》

そうして四人は峡谷へ移動した。

前哨戦とでも言わんばかりにraimuとcralsは飛ばしていく。
sirutoはirisの手を引いて後ろからそこそこのスピードでついて行った。


レース会場に到着し、蝋燭に火をつける。


二人は左右に分かれて座った。
sirutoとirisは二人の後から滑り、観戦するので立って待っていた。


門が開き、二人が飛び出していく。
今回は、光の収集具合と速さではなく、単純に滑るスピードでの勝負になる。

『二人とも早い!』

「さすがベテランよね…!」

後ろをついていきながら、二人は感動していた。

氷の加速を使ったり、段差を降りる時についてしまう浮力による減速をできるだけ抑え、インコーナーを攻める。二人ともそれぞれ独自のコースを滑っているが同じように早い。計算された動きなのがわかる。
最後の直線では体勢を前屈みにし、風の抵抗をできるだけ小さくしている。
二人とも、ほとんど差がなかった。


しかし、紙一重でraimuに軍配が上がった。

[よっしゃあ!私の勝ちだ!]

《ええ勝負やっただけに悔しいわ!》

「そういえば、二人ともなんで争っていたんですか?」

[《…………なんだっけ?》]

raimuとcralsは二人して首を傾げる。

『え…わ、忘れた!?』

《まあ、楽しかったからええやろ!次は負けへんで?》

[いつでもかかってきな!相手してやるよ。]

和気藹々と互いを称え合うraimuとcralsをよそに、

『解決…したのかな?』

「ええ、そのようね。まあ、平和的解決でいいんじゃないかしら。」

とsirutoとirisは二人で顔を見合わせて苦笑いをした。

喧嘩するほど仲がいい。そういうことだろう。
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