流星の四重奏

[藤が綺麗に咲いたなぁ!そうだ、みんなでお菓子付きのお茶会でもどうだい?]

とraimuがテーブルを出してみんなに問う。

「わぁ!いいね、ちょうど心地よい季節になってきましたし!」

と喜ぶsiruto。

『ここ綺麗!今からお花見?!』

目を輝かせながら座るiris。

[そうそう!ちょうどクッキーもあるし!]

そこへ、ふらりと立ち寄る者がいた。

《お、なにか楽しそうなこと企画しとるな、俺も混ぜてくれへん?》

cralsだ。

[ああ、いいよ?でも、キミはここね?]

冗談めかして地面を指さすraimu。

《ぶっ、まじか。》

吹き出すcrals。

[ふふ、だって席ないもん。]

そう言いながらもcralsはそのまま地面に座る。

「ふふっ。」

『あははははっ!』

そんな恒例のノリツッコミを見ながらお花見はスタートした。

「これ美味しい!」

『飲み物もあっさりしてる!』

sirutoとirisは早くもお菓子とお茶を堪能している。
それを微笑ましく眺めるraimu。
raimuの服の裾をちょいちょいと引っ張って、cralsが問う。

《俺の分のお菓子もあるよな?》

[そこら辺に沢山あるだろ?]

と、冗談でraimuがそこら辺の草を指さす。

《えぇ…。》

苦笑いをするcrals。

[うそうそ、ちゃんとあるよ。]

そう言ってraimuはお皿とカップをもうひとつ取り出して空いているところに置く。

《じゃあ俺イス取ってくるわ。このままじゃさすがに飲めんし食べれんわ。》

そう言ってcralsはそそくさとイスを取りに行った。

[ご自由に、ふふっ。]

cralsがガタガタとイスを持ってきた。しかし二人がけのものなので、何しろ大きい。

[邪魔だわ。]

ニヤニヤとraimuが言う。

《仕方ないやろ!これしか無いんやから!》

速攻でcralsが反論した。

「二人のやり取りを見ていると本当に面白いわ。」

『とっても息があってる。』

《そうか?》

[まぁ、退屈はしないよ。]

バッとcralsがraimuの顔を見て、笑いながら、

《なんやその言い方は!》

と言い、優しくraimuの肩をはたく。

[『「あははははっ」』]

三人の笑い声が木霊した。

紫の花びらを纏った風が緩やかに皆の頬をくすぐる。
これは穏やかな、でも賑やかな朝方の出来事。
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