流星の四重奏

『あれ、ここどこ?』

irisはキョロキョロと周りを見渡す。
sirutoと峡谷の隠者の峠に来ていたはずなのだけれども…?

ちょっと探検してみたい!と言う理由で一人で飛んでみたところ、よくわからない崖に来てしまった。

『………どうしよう。』

ホームに戻るとsirutoと入れ違いになる。
だからと言ってむやみやたらに飛び回れない。
かなり絶望的だ。

美しく見えた夕日も、今は哀愁漂う風景に見える。
一人ぽつんと座り込んでいた。

[おーやおや、なんだか寂しそうな背中だねぇ。]

irisは、ばっと振り返った。

『raimuさん!?』

[ふふふ、来ちゃった。]

『一人で大丈夫なのですか!?』

[ま、大丈夫でしょ!体調も悪くないし!]

そう言ってraimuが、irisの隣に座る。

[こうやって、キミと二人で話すの初めてだねぇ。]

irisがハッと気がついたように言う。

『あ、本当だ、いつも誰かいますもんね。』

[旅は順調?]

『はい!大分と慣れました!回り方とか教えてもらっている最中です!』

[お、良いねぇ、成長だ!]

raimuはニコニコとしている。嬉しそうだ。

『一人で回ろうとして今迷子になったんですけれどもね…。』

irisが苦笑いをした。
raimuはふふふっと笑って

[そういうのはつきものだよ。迷子になって覚えていくもんだ。]

といった。

『頑張ります!』

元気にirisが答えた。

[ここ綺麗だよねぇ…。]

『輝いてる…!』

紫色の雲が、絨毯のように敷き詰められている様子は圧巻だった。

[こういった秘境探しをするのも旅の醍醐味だよ?今度一人で色々探してみても良いんじゃない?]

raimuが提案する。

『一人旅かぁ…。』

irisは色々と想像した。
青い空。白い雲。暖かい日差しの中探検帽をかぶって…?

ううん、とirisが考えていると、raimuはirisの考えが迷走していることを察して

[ふふふ、旅のついでに寄り道をするってことだよ。]

といった。
淡々と使命をこなすだけでは疲れてしまう。だからちょっとした息抜きがてら、そういったものを探すのだ。

『なるほど!』

irisが目を輝かせた。
でもふと思った。
せっかく綺麗な景色を見つけても、一人旅だと共有する仲間がいない…。

いきなりしゅん…としたiris。本当に表情がコロコロ変わって可愛らしい。
それを見たraimuが言った。

[やっぱりキミはみんなで旅をするのが好きなんだね。]

『うん!みんなでワイワイできて楽しい!』

[ふふふ、良いよねぇ…大人数の醍醐味だ。]

すくっとraimuが立ち上がる。

[さぁ、そろそろホームに帰ろっか。]

『sirutoは?』

[ここに来るときにcralsに伝言を頼んだ。きっとホームにいるよ。]

『よかった…。』

二人はホームに舞い戻った。

sirutoとcralsが何か話しているのが見えた。
sirutoがirisに気がつく。

「iris!お帰りなさい!」

『ただいまぁ!あのね、すっごく綺麗なところを見つけたんだ!今度みんなで行ってみようよ!』

《お、なんか見つけたんか?》

とcralsが聞く。

『うん!二人にも見てほしいなぁ。』

「良いわね、今度連れて行ってもらいたいわ!」

《どこなんやろ、楽しみやな!》

その後、皆の話はirisの見つけた秘境で持ちきりだった。

迷子になったことで見つけた景色。
この地にはこういったところがまだまだ沢山あるにかもしれない。
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