流星の四重奏

仕切り直してもう一度sirutoが探す。

二十秒が経った。

今度は皆真面目に隠れている。

周りを見渡す。

さーっと見て、何も違和感は…ん?

書庫に続く半透明の扉の後ろに何やら人影が見えた。

向かってみるとraimu先輩がいた。
時間がないのでパッと見ただけでは見落としてしまう。
色をうまく使った隠れ方だ。

[あちゃー、見つかっちゃったかぁ。]

どうやらさっきと同じところに隠れたらしい。

「パッと見ただけじゃ分かりませんでした。」

[見逃してくれなかったかぁ、残念。]

そう言いながらraimuが石台で待機する。

ホームの奥の方から探す事にした。
小舟の左側を通り抜け、着替えの祠の後ろの海を泳いで反対側に回り込もうとした。

irisが居た。

「iris、見つけた。」

『うわ!そっちから来たの!?』

位置としては、ホームの石台から着替えの祠を見て左側だ。
そこだけ少し斜面があり、絶妙に見えない。

海を経由して裏から行けば丸見えだが。



どこを探してもcralsが見つからない。
残り少ない時間の中、あらかためぼしいところは探したはずなのだが。
焦りは禁物なのは分かるがどうしても焦ってしまう。


時間になってしまった。


「……cralsさん、どこですか?」

埒が開かないので呼んでみる。

《ここやで〜!》

女神像の裏から声がした。

「え…!」

走って向かうと果たしてそこに居た。
水から顔だけを出した状態で寝転がっていた。

《ふふふ、以外と最初に居たところって探しにこないんやで。灯台下暗し、やな。》

cralsが満面の笑みで言う。

「してやられましたね…さすがです。悔しい…。」

まさか女神像の裏に隠れているとは思わないだろう。

《ありがとうな!》

cralsは嬉しそうだ。

『以外と隠れるところがあって、面白かったねぇ!』

「そうね!本当に楽しかったわ。」

[探す時間もちょうど良さげだったねぇ。]

「はい!三人となるとギリギリなので、スリリングで面白かったです!」

『また機会があったら他のところでもやろうよ!』

《せやな!書庫以外の各地の休息所とかででできそうやわ。》

[またやろうね!]

こうして、定期的にかくれんぼで遊ぶことが決定した。
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