流星の四重奏

[あっづい…。]

《夕方でこの暑さはエグいて…。》

ホームにも夏が来た。
砂浜には砂のお城ができ、パチパチと心地よい音で焚き火が燃えている。
cralsとraimuは暑さを凌ぐ為海に足を浸していた。

そこにsirutoとirisが合流する。

「相変わらずここは暑いですね…。」

『汗出てきちゃう…。』

《ん、irisとsirutoやん!》

[ほんとだー!ヤッホー!]

「涼しそう!私たちも混ぜてもらってもいいですか?」

《もちろんやで!》

とcralsが答える。

『やったぁ!』

sirutoとirisは二人の間に座る。

「こういったゆったりする時間、いいわねぇ…。」

[そうだねぇ。]

それから皆無言で沈んでいく夕日を眺めていた。
水に浸かっているので暑さも忘れ、穏やかな時を過ごした。



夜の帳が降りてきた頃、先ほどまでの暑さは嘘のようで、程よい心地よさになった。
その中で、熱く盛り上がっている者がいた。

《夏の夜といえば、キャンプファイヤーやで!!》

満面の笑みでcralsが言う。

『キャンプファイヤー!』

[ほう、いいね、何をするんだい?]

《ふふふふ、聞いて驚くなかれ、実は……とっておきを用意してるんや!》

「な、なんですって!」

珍しくsirutoのノリがいい。驚いたようなエモートまでバッチリ使っている。

[で、何を用意しているんだい?]

raimuが先を促す。

《ジャーン!》

cralsが取り出したのは柔らかい白いものが刺さった物だった。

『わぁ!これは何?!』

《ましゅまろ、って言う物や。大樹の案内人精霊からもらったんや。火で焼いて食べれるそうやで。》

『へぇ!やってみたい!』

《あ、まずは見本を見せなあかんな。これもらった後に教えてもらったんよ。焼きすぎるとすーぐ焦げて燃えるんや。》

『えっ!?燃える!?』

「なるほど…難しいのね。」

sirutoがふむ、とでも言うように首を傾げる。

《まぁ、みててや!》

そう言ってcralsはマシュマロ付きの棒を取る。
そして焚き火の前に立ち、絶妙な位置で焼き始めた。
程なくしてこんがりと色がつき始める。

《このくらいでええやろな。》

そう言って彼はマシュマロを火から離す。
そこにはこんがりと焼けていい匂いのするマシュマロがあった。

《こんな感じでやるんやで、美味しそうやろ!》

見せびらかすcrals。

「わぁ、すごいいい匂いですね!」

『こんがり!』

[すごいなcrals、もっとよく見せてよ。]

《ん?ええで?》

そう言ってraimuの前にマシュマロを近づける。

[いただき!]

そう言うか否かraimuはcralsの焼いたマシュマロを食べてしまった。

《あーっ!!お前何すんねん!》

ほへほいひい!これおいしい!

cralsがraimuをポカポカと叩く。
叩く手に力がこもってない所から怒っていないのがわかる。
ある程度予想がついていた上でやったのだろう。

《全く…すーぐ取るんやから…。》

[ふふっ、警戒心がないのがいけないんだよー!]

『あははは!面白かったぁ!ねぇ、私たちもやっていい?』

「そうね、やり方もわかったことですし!」

《せやな!みんなでワイワイやろうで!》

そう言ってcralsはみんなにマシュマロ付き棒を渡した。

それからみんなで焚き火を囲んでマシュマロを焼いた。

『あーーー!燃えちゃったぁ!』

「iris、近づけすぎよ。こう離して…。」

[sirutoー!みてみて、めっちゃ綺麗に焼けた!]

「わぁ、先輩!すごいですね!」

《siruto、ましゅまろ燃えとるで。》

「えっ?ああっ!私のましゅまろが!」

《安心せぇ二人とも。まだまだたくさんあるからな!》

和気藹々とはしゃぐ皆。夜はまだこれからだ。
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