もしもの話
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「なーんか最近変な夢を見るんだよ」
『変な夢?』
朝、彼氏の真緒くんに突然そんな話を
振られた。
「そ。Trickstarがない学校っていうか…
俺達が革命を起こさなかった世界っていうか
なんか、そう言う感じの」
『えぇ…なんか違和感…けどあの革命が無いと
私は今真緒くんの隣にいないよ?』
「まぁそうだよな。だからかして、夢の中に
お前が出てこないんだよ」
『えっ、なんか悲しい…』
「現実はいるから大丈夫だろ?
…ちゃんと、大好きだからさ」
『…うん、私も真緒くん大好きだよ!』
そんな会話をした後、昼休みに1人、
レッスンルームを掃除していたときだった
「すみません!蓮巳先輩居ますか!」
『あれ?真緒くん!蓮巳先輩はいないけど…
多分教室じゃないかな?』
勢いよく扉を開けた真緒くんにそう言うと
何故か顔をしかめられる
『急ぎ?』
「………あの、誰ですか?」
『は?』
突然よく分からないことを言われた
「しかもここアイドル科ですよね。
普通科は立入禁止ですよ」
『まっ、待て待て待て待ってぇい!
冗談ひどすぎない?』
「は?冗談言うわけ無いだろ」
おかしい。真緒くんが真緒くんじゃない
これは…私の知ってる好きな人じゃない
『そ、それに真緒くんは今日
Trickstarのレッスンが…………』
「っ!?な、んでそのユニット名を
知ってるんだ………」
『知ってるも何も真緒くんのユニットでしょ
何を今さ…………えっ?』
不意に、ズレが生まれた
蓮巳先輩を探している?
Trickstarという言葉に反応する
私のことを知らない
たった数時間会わないうちにこんな事が
おこるものなのだろうか…そんなはずない
「……そのユニットの、メンバーは言えるのか
…Trickstarの、メンバーを」
『…リーダーの氷鷹北斗くん、
それに…明星スバルくん、遊木真くん
そして貴方…衣更真緒くんの4人でしょ?』
「そうだ…革命を起こすと言ったものの
起こせなかったユニットだ……
みんな違うユニットになって…」
…………待って、今なんて
『革命を、起こせなかった…?』
「ああ。だから俺はこうして紅月に居る」
…なんか、とんでもない事になったかも
けど、話は理解した
そして辻褄も合った。
どうして私を知らないのか
どうして苦しそうな顔をしたのか
どうして蓮巳先輩を探しているのか
この真緒くんは……
コンコン
「おーい結羅、お、いた!
今日昼飯一緒……に………たべ…………」
『あっ、真緒くん』
「…………」
「…………」
「「俺!?!?!?」」
いやそうなるよねわかってた
昼休み
とりあえず授業中は隠れてもらった
もう1人の真緒くんを連れ、私、そして
真緒くんと一緒に屋上へ逃げた。
3人で円になり…と言っても目の前に2人
真緒くんがいるんだけど…とりあえず
この学校のことやTrickstar、革命の
事をすべて話すと、彼は驚いた顔をした
「つまりここは、革命を起こした別の世界
ってことか…?どうりでみんな活気がいい
訳だよ……」
『真緒くんが…あー、えっと…衣更くんが
いる世界は違うの?』
紛らわしいと思い、私は紅月に居るという
別の真緒くんを衣更くんと呼んだ
すると彼は1つ頷いて
「…変わらずだよ。正直、真とも疎遠だし
北斗はたまに話すけど…スバルは……」
「…いや、言わなくていい。察したよ」
きっとバラバラになった皆は、苦しい
中でまだもがいてるんだ…
「とりあえず蓮巳先輩にレッスンの事をって
探してたら、お前と出会ったんだ
えっと……」
『あっ、私は』
自己紹介しようとしたら、
真緒くんが私の肩に手を回す
「真瀬結羅、俺の彼女」
「!この世界の、俺の…………」
『あっ、はい…彼女させてもらってます』
すると衣更くんは私をじっと見てくる
…顔はおなじ真緒くんだから、
ドキドキはするんだけど……
「……顔は好みじゃないけど」
私の心にグサリと一言
『どういうことだ衣更真緒』
「違っ……!!!おい、お前は違っても
俺は好きなんだよ!同じ顔なんだから
変なこと言うなって!」
「同じ俺なら好みも同じだろ!?
なんでこんな…」
『んんんん、なにかな』
「「あーーいえ何も」」
『…ふふっ』
口を揃えて同じ顔をするふたりを見て
私はつい笑った
『衣更くん、こっちに来たきっかけとか
持ち物とか分かる?』
「あー、きっかけは分かんねぇけど
通学途中だったんだよな。だから荷物は
一通りあるんだよ」
そう言っていつもの真緒くんと同じ弁当箱が
私達の前に出てくる
「…ホントに俺と同じだわ」
『そりゃあね。とりあえず衣更くんを
もとの世界に返さなきゃ…けど…』
2人真緒くんがいるってなれば
それこそパニックなのでは?
「レッスンが終わるまで
応接室にいたらいいんじなゃないか?
今日は使う予定も無いし」
「お、ならそこにいるわ。ついでに
溜まってる書類しとくよ」
「マジ?こういう時俺がふたりいると
めちゃくちゃ助かるな!!」
『…………………ほ、放課後迎えに行くね』
正直、結局書類に追われることや
仕事が好きなことに変わりはない
と言う共通点には気付いた
.☆.。.:.
放課後、Bクラスより早めに終わった為
先に応接室までやってきた。
そっと扉を開けてみる
「おう!えっと…結羅だっけか
お疲れさん」
『うん、お待たせしてごめんね衣更くん』
山盛りあったであろう書類もほぼ終わって
彼は伸びをしていたところだった
『書類終わらせたの?』
「ああ。昼間だから捗ったよ」
『そっか、お疲れ様』
そう言って彼の好きな紅茶を出す
あっ、しまった。真緒くんと同じもの…
大丈夫かな…
「ん!?」
『ひぇっ!も、もしかして口に合わない?!
だったら作り直…』
「いや、すげぇ好みの味……」
…味覚は同じのようだ
『良かったぁ………』
「っ!…えっと…結羅は、いつ
夢ノ咲に来たんだ?俺の世界には
その………居ないんだけど」
『…DDDのあと、だよ。Trickstarが
革命を起こす瞬間を、この目で見たのが
キッカケなんだ。…みんな、きらきらして
あの光を、もっと輝かせたいって思った
そしたら友達のあんずちゃんが先生に
そのことを伝えてくれて無事編入!』
「なるほど、どうりでいないわけだ
俺の世界ではTrickstarはもう無い
お前が見たキラキラを、俺は作れなかった
だから編入するきっかけも無かった
ってことだな」
…確かに、DDDの最終でキラキラをみた
けど…
『衣更くんにもあるよ』
「えっ?」
『真緒くんから聞いたんだ。
中学の頃アイドルみたいって言われて
それで夢ノ咲に来たんだよね?
それって、衣更くんがキラキラしてたから
だよ。どんな形であれ…例え紅月で
あったとしても。衣更真緒って人間は
輝くと思うな』
「俺が……輝く…」
『どちらにしろ友達だと思うから、
衣更くんの世界の私も、いずれライブを
あんずちゃん伝えで見に来ると思うよ!』
「…そっ、か……」
衣更くんはそう言ってまた紅茶をすする
『……衣更真緒くんはね、頑張り屋で
面倒見が良くて、器用貧乏で』
「うっ…」
『でも!それって貴方の優しさと、
人の良さなんだよね。人間性が素敵なの
だから誰にでも好かれる…なにより
ファンにキラキラを届ける姿が好き』
紅月の彼にそう伝えた
「キラキラを届ける…」
『うん!楽しんでる姿、笑う姿…
あのときの姿は、最高に格好良い…』
そう言って笑うと、衣更くんは
プイッと顔をそらす
…あっ、私もしかして話しすぎ!?
『ご、ごめん、話しすぎたよね!』
「いいいいや、その…大丈夫だ
…俺さ、Trickstarじゃなくなってから
そういうの、考えれてなかったっていうか
…楽しく、ないんだよ…アイドルをするのが」
『…うん』
その言葉は、もしかすると私の好きな
真緒くんが言うかもしれなかった言葉
選ばなかった、選択肢の言葉
「…北斗とスバルと真…4人で居ることが
続くと思ってた。けど今はこうして
話すことも減れば、思い出すことも少ない
…そんな俺でも、お前の言うキラキラは
出せるのか…?」
不安げな眼差しに、私は間を入れず答えた
『当たり前だよ!だって、衣更くんは
衣更くんにしか出せない魅力や輝きが
ちゃんとあるんだから!!』
「!!!…結羅……」
『紅月にいても大丈夫!私は、アイドルを
楽しんで、輝いてる衣更くんが1番だよ!』
すると衣更くんは目を見開いて
じっと私を見つめる。そして………
「…あの、さ」
『ん?』
「お待たせーっておい!距離が近い!
離れろって!こいつは俺の!」
真緒くんが入ってきてそうそう私を後ろから
抱きしめ……言い方を変える、圧迫してきた
苦しい、苦しいよ真緒くん
『ま、真緒くん…く、苦しい…』
「!わ、悪い!大丈夫か?」
『へへ…大丈夫……』
力なく笑うと、ホッとして真緒くんは
私を腕から解放した
『そいえば真緒くん、明後日ライブなはず
だけど、大丈夫?』
「ああ、バッチリだよ!とりあえずその
俺は、俺の家な!泊まるとことかも無いだろ
解決するまでは家にいろよ」
「まあ俺の家なんだけど世界的には
そうだよな…わかったよ、ありがとな」
『…そうだ!衣更くん!明後日のライブ
Trickstarの!一緒に行こうよ!』
「えっ…俺、が?」
『そう!観客席なら用意するし…!』
我ながら名案だ。これなら衣更くんも
少し元気が出ると思う
なにより、アイドルをまた楽しむきっかけに
なるかもしれない…!!
「だな。お前がもしTrickstarにいたら
こうだったって言うのも見れるし
なにより俺だろ?改善点とか見えると思うし
見て教えてくれよ!」
真緒くんも賛成してくれたようだ
衣更くんは少し悩んだあと、ふと顔を上げて
「わかったよ。但し服は貸してくれな?
俺何もないから!」
「おう、もちろんだ!」
ニカッと笑った
やっぱどっちも衣更真緒くんなんだな
…ドキドキしちゃうや…って!
私はなに考えてるの!アホ!馬鹿!
『私には真緒くんだけなのー!!』
「お、おうありがとな!?いきなりどうした
嬉しいけど!!」
そう言って真緒くんは私の頭を撫でた
優しい手付きに目を細めてしまいつつ
明後日を楽しみに、胸を躍らせた
「………」
.☆.。.:.+2日後
「どうだ?これならわからないだろ?」
『声で秒殺だけど見た目なら大丈夫!』
真緒くんの私服をうまく使い
なんとか衣更くんを変装させることに成功
私と真緒くんはほっと息をなでおろした
「思ったんだけど、お前の世界では
他の3人とはあんまりなんだろ?
どうだ?こっちの世界のアイツらと
ちょっと話してみるか?」
「えっ!?いやでもそんなことしたら」
『真緒くんの親戚ってことにする!
だから大丈夫!衣更くん、元の世界に
戻った時、みんなとお話できるように
こっちで練習しよ!!』
私と真緒くんが見つめると、衣更くんは
引きつった顔のままうなずいた
.☆.。.:.+*
「おーいみんな、俺の親戚が来たんだー」
真緒くんがそう言うと、衣更くんはチラリと
ドアから覗き込む
「サリ〜の親戚?やほやほ!来てくれて
ありがとう!」
「…す、ばる………」
「お!俺の名前知ってくれてるんだ!
嬉しい〜!!」
衣更くんはおずおずと部屋に入ると
真緒くんの少し後ろに立った
「うむ。衣更と背丈が変わらないな」
「「『(ぎくっ)』」」
しまった盲点だった!!!
見た目ごまかせても身長を忘れてた!
「こ、こいつ成長期でさ〜!
この2ヶ月で10センチ伸びたんだよ」
そんなわけあるか真緒くんよ…
そのとっさの嘘
「そうなのか、それだともう衣更の背を
抜くだろうな」
ほんとこの人たちにしか通じないから
「ほ、くと………」
「俺のことも知っていてくれたのか
有難いな」
「じゃあじゃあ、僕は!?」
「っ…真……」
「えへへ、嬉しいな…っ…えええ!?」
不意に衣更くんは、真くんに抱きついた
「え、えっと………!?衣更くん、
こ、これどうしたらいいかな!?」
抱きつかれている真くんは慌てるが
私と真緒くんは…
『っ…真緒、くん………』
「…」
何も、言えなかった
しばらくして、真緒くんが口を開く
「そいつ、ずーっとお前たちと話が
したかったんだよ。嬉し泣きだからさ!」
「そんなに俺たちのこと応援してくれてたんだね!俺もぎゅ〜!!」
「な、なら俺もしよう」
衣更くんを包み込むように、3人は抱きしめ
笑い合う。被ったキャップ越しには
衣更くんの涙が光って見える
「…俺、ずっと…みんなのこと好きで…
応援、してて………!!」
「うんうん☆」
「はなし、たくて…!」
「ああ」
「3人の、心から笑う笑顔が好きで…
ずっと、見たかった…!!」
「そっか、僕たちの笑顔を好きでいてくれて
ありがとう!衣更くん!」
「ありがとう衣更」
「ありがとう、サリ〜!!」
3人はそう言って衣更くんを抱きしめた
…待って、今なんて………!?
「お、おいお前ら、今なん…」
同じことを思ったのか、真緒くんが慌てて
3人に訪ねようとすると
「だってサリ〜の親戚でしょ?」
「うむ。なら衣更という名字も同じはずだ
…もしや違ったか?」
「…ち、がわない………!!」
「そっか!よかった!衣更くん、僕たち
これからも頑張るから、応援してくれると
嬉しいな!」
真くんがそう言うと、衣更くんは
大きく頷いた
「応援、する…近くで、ずっと…!」
その言葉を、もとの世界の彼らに
伝える事ができますように
.☆.。.:.+
みんなを見送り、衣更くんと客席に向かう
「……ありがとな、結羅」
『えっ?』
客席について、衣更くんは私にそう言った
「色々してくれて」
『そんな…大したことしてないよ!
元の世界に戻ったら、あの3人にちゃんと
お話出来たらいいね』
「………戻れなくても、いいかもな」
不意に衣更くんはそう呟いた
『えっ、なんで?』
「別にこっちの世界も日常はそんな
変わらないわけだしさ!…お前もいるし」
そう言って衣更くんは私の頬を撫でる
「…たまに夢に見てた。Trickstarとして
ライブをしている夢…その夢の中には
知らない女の子がいて、そいつがずっと
俺の隣にいた夢を」
夢。それは真緒くんが数日前の朝に
話していたことだ。もしかして2人は
夢と言う形で繋がったのではないだろうか
お互いのことを夢の中で見て、それが
現実に起こる…なんていう 縁 で
「今ならわかる、隣にいたのは…
ずっと結羅だった」
『衣更くん………』
会場が暗くなる。イントロが聞こえて
始まるのは幕を開くあの曲
真っ直ぐに真緒くんを見つめて、彼と
目が合って、微笑まれて、微笑んで
「………ほんとに、輝いてるんだな」
『…大丈夫、衣更くんも輝けるから』
キラキラと眩しいステージを、衣更くんは
じっと見つめていた
.☆.。.:.+
その日の帰り…2人の間に私が入り
上弦の月の元歩いていると
「………あれ」
『?どうしたの、衣更く…』
ふと立ち止まった衣更くんを見ると
身体が透けてきていた
「もしかして、元の世界に帰るのか?」
「わかんないけど、多分そんな感じっぽいな
…3日間ありがと!楽しかったよ!」
『こちらこそありがとう…!
そっちでも、頑張ってね………!!』
すると衣更くんは悲しげに笑って、
私の前にやってきた
『?』
「訂正させてくれ。はじめの言葉……
こっちの俺が、結羅を選んだ理由が
よく分かったよ…これは好きになるわ」
『へ?』
そう言うと、衣更くんは私の頬にキスをした
『へっ!?』
「ちょっ、お前………!!!!」
「初めは好みの顔じゃないとか思ったけど
お前の優しさや言葉、笑顔……全部全部
好きになっちまったよ」
切なげに笑う衣更くんに、拗ねた真緒くん
その2人に視線を向けられて私もパニックだ
「…俺、向こうの世界でまた革命に挑戦
してみるよ。あいつらと一緒に居たい。
眩しいステージの下に、あの3人とたちたい
……俺の世界の結羅とも、出会いたい
…………振り向かせたい」
「…そっか。やっぱり俺Trickstarじゃ
ないと違和感だよな
振り向かせたいって言うのはわかるけど!」
そう言って、私の前で2人が笑い合う
3日前とは違う、心からの笑顔
「そろそろみたいだ…ほんと、ありがとな
こっちの俺、結羅のことちゃんと
大切にしろよ…!」
「当たり前だろ!!」
『衣更くん、元気でね』
消える直前
『!!』
「ああっ!お前…!!」
「…俺の名前、呼んで」
衣更くんは優しく私を抱きしめて
そう耳元で囁いた
『…真緒くん』
「………こっちの世界でも、見つけるから
待っててくれ………………」
―好きだ
そう言って抱きしめていた腕…身体が
空に向かって消えていった
『…………』
「…寂しいのか?」
『…ううん、そうじゃなくて』
寂しいじゃなくて、楽しみな私がいるの
『あっちの世界の私が、衣更くんの
キラキラを早く見れたらいいなって』
「…大丈夫だ。何せ俺だからな」
『…そうだねっ!』
ふと振り返ると、すぐ後ろに真緒くん
『まっ、真緒くん近………』
「馬鹿!あっちの俺にあんなに気を許して!
なにしてんだよ!」
『ご、ごめんなさい…!?』
「許さない」
『そういう真緒くんだって!!
顔は好みじゃないって!』
「あっ、あれはあっちの俺の言葉で…」
けど味覚や考え方、全部全部一緒だったのだ
違うわけがない
『…本当は?』
「…好みではありませんでした」
『歯食いしばってもらっていいですか?』
「許してほんと。け、けど!
見た目じゃなくて中身から惚れたから俺!
今はもう全部好きだから!なっ!?」
『……………』
「結羅…さん?」
控えめな彼の声に、私は思わず笑ってしまう
『そんなことわかってるよ!』
「っ…………ほんっっと…そういうとこ…」
『真緒くんがちゃんと想ってくれてること、
私知ってるから』
「……なら、嫉妬させるような事するなよ…
あんな抱きしめ返したり名前呼んだり」
真緒くんは、私を抱きしめて言った
「結羅にとっての彼氏、衣更真緒は
ここに居る俺だろ?」
『そうだけど………』
「言い訳は無用!今日はずっと離しません」
え、今日は??
『まっ…もう帰…………』
「は?泊まっていかねぇの?
俺はそのつもりなんだけど??」
『えぇ…』
「…ダメ、か?」
こうなると真緒くんは止まらない
しかもちょっと落ち込んだような
声を出すのもやめてほしい
『そうやって聞いてくるのずるいよ』
「そんなに可愛いお前が悪い」
2人目を合わせて笑い合うと
真緒くんの顔が近づいてくる。
月の下で、私はそのまま目を閉じた
ねぇ、衣更くんがいる世界の私
もうすぐ…
素敵な出会いがあると思います
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