桜庭愛理 愛されます

コナン君と話をしていたとき、遠くから声が聞こえた

「オウ大和!何やってんだ?こんなところで…」

誰?大和警部のことを知っているから長野県警の方なのはわかるけど…

「まさか職務中に幼馴染の上原とデートしてんじゃねえだろーな?」

上原「そ、そんなんじゃないです!」

諸伏「聞き込みを終え…少々時間が余ったので寄り道を」

「出戻りの諸伏も一緒か…」

諸伏「三枝さん達はなぜここへ?」

三枝「これから手配中の強盗犯の潜伏先に行かなきゃならねぇんで、その前に信玄公にお参りしておこうと思ってよ…別に油を売りに来たわけじゃねえよ…油川じゃあるまいし…」

「油川じゃありません!秋山ですよ!言ったでしょ?去年両親が離婚して母方の性の秋山になったって!そろそろ間違えないでくださいよ!!」

三枝「悪い悪い」

「それよりウチの班長知らないかい?」

上原「班長って竹田さんですよね?」

鹿野「ああ…ここで合流するつもりだったんだが…どこにも姿が見当たらなくてねぇ…」

秋山「携帯もつながらないし・・・」

三枝「ったく何処で何やってんだか…」

大和「場所を間違えてんじゃねーのか?あのオヤジもう年だし…」

秋山「・・・ですね・・・」

三枝「他を当たってみっか!」

鹿野「邪魔したね…」

大和「あ、そうだ…竹田のオヤジに会ったら言っといてくれ…たとえ上から命令があったとしてもあんたの班に戻る気は…死んでもねえってな!!」

大和警部がそういった後、3人は去っていった。

大和警部と竹田さんという方に何かあったみたいね…大和警部とても怒っている様子だったし

その後、由衣刑事のご厚意で、川中島を案内してくれることとなった。

山本勘助が討ち死にした場所と言われる勘助宮

山本勘助の墓

そして・・・

上原「ここが勘助の首と胴がピッタリ合ったっていう…胴合橋よ」

蘭「ピ、ピッタリ合った?」

「合戦中に敵にとられた味方武将の首を勘助の家来たちがいくつか奪い返したけれど…どれも血まみれでどれが勘助本人の首かわからなかったの・・・でも、洗浄に転がる勘助の鎧をつけた胴と首の1つが合致して勘助の首だとわかったのがこの橋なのよ、蘭ちゃん」

蘭「愛理姉、よく知ってるね!」

上原「本当に!愛理ちゃんは私が説明しようと思ったことを言ってくれたわ!」

「母が歴史が好きで、よく聞いていたんです」

コナン「っていうか…山本勘助の名所めぐりになっちゃってるね…」

上原「あ、いやこれはたまたま…」

諸伏「仕方ありませんよ…大和敢助などというそっくりな名前の幼馴染がいれば興味がわくのも必然・・・」

確かに名前の響きが似ている

あ!さっき会った刑事さん達もかつての武将たちに名前が似ているかも…

諸伏「しかし、いくらそっくりだとはいえ山本勘助のように作戦失敗を悔いての無謀な討ち死にだけはやめていただきたいところですが…」

大和「だから俺は山本勘助じゃねえってっつっつてんだろーが!!」

諸伏「まあ、君は失敗を悔いるようなタイプじゃありませんけどね…」

大和「あんだとォ?」

上原「まあまあ2人とも…最後に戦場を流れていた千曲川を見て戦場巡りは終わりにしましょうか!」

小五郎・蘭・コナン・愛理「「「「…はい」」」」

諸伏警部と大和警部は喧嘩するほど仲がいいって感じ

コナン君に聞いていた通りだわ









ー千曲川ー

蘭「わぁきれいな川―!」

「こんなところで昔、合戦があったとは思えませんね」

小五郎「ああ・・・」

コナン「(愛理姉が楽しそうで安心したぜ。ここんところ、愛理姉にとっていやな事件ばっかだったからな)」

上原「そういえばその合戦の川のことを歌った詩があったような…」

諸伏「骨をつみしほ流ししもののふの・・・おもかげうかぶ赤川の水…」

小五郎「ほー・・・」

蘭「どんな意味なんですか?」

諸伏「この千曲川につながっていた支流かどうかはわかりかねますが…川中島の合戦は死者8千万余りと言われる壮絶な戦で…これは浅井冽氏が神社の前を流れる川が討ち死にした兵の血で三日三晩赤く染まった言い伝えを鎮魂の情を込めて詠んだ詞…その合戦以来、その川を赤川、その神社を赤川神社と呼ぶようになったそうですよ!」

蘭「へ、へえー…」

この話もお母さんに聞いたことがある・・懐かしいわね

!?

この川に、誰かの首が流れてる…大和警部がそれを追いかけている

「川・・・血・・・首・・・誰なの?」

諸伏「(彼女の言っていること…気になりますね)」

コナン「愛理姉?」

大和「大袈裟なんだよ!大体川が三日三晩血に染まるわけが…」

大和警部がそういったとき、ドボンと川に何かが落ちる音がした

大和「!」

川の方を向いていた大和警部がいち早く気づく

大和「血!?その真ん中に浮かんでんのは…人の首か⁉」

さっき見た未来…

大和「上原!すぐに鑑識を呼べ!!」

上原「は、はい!」

大和警部が杖を使って、自分の方へ首を近づける

小五郎「おい!本当に人の首だったのか?」

大和「ああ…しかも知り合いの首だ…」

小五郎「え?」

大和「長野県警捜査一課・・・竹田班、班長、竹田繁警部だよ!」

小五郎・蘭「「ええっ!?」」

コナン・愛理「「!?」」

大和「しかし胴体はどこに!?」

諸伏「ここのようです…」

大和「え?」

諸伏「残念ながら燃やされている上に…少々砕かれているようなので…山本勘助のように…首と胴体を合わせることはできないようですけどね…」

どうしよう…息がつまる…

「はあ・・・はぁ・・・」

小五郎「愛理ちゃん?」

コナン「愛理おねーちゃんさっき、川とか首とか血とか小さな声で言ってた!(過呼吸だ‥早く何とかしねえと!)」

小五郎「!?まさかこの事件の未来を(直前に見ちまったのか)」

蘭「早く何とかしないと」

コナン「愛理おねーちゃん、僕と一緒に呼吸しよう」

「っつ・・・」

コナンとともに呼吸をした愛理は、だんだんと落ち着いてきた。

諸伏「気になっていたのですが、未来とはどういうことですか?」

小五郎「いや・・・それはだな・・・(こいつらに話すのはな・・・)」

愛理「・・・誤魔化すことはできなさそうですね。」

コナン「愛理姉・・・(諸伏警部達に話しても大丈夫なのか?)」

愛理は自らの秘密を語り始めた。

大和「不幸がわかる未来…ねぇ」

諸伏「先ほどの愛理さんの発言からして、嘘ではなさそうですね」

愛理「信じてくださるんですか?」

大和「アンタの言うとおりになってんだろーが。」

諸伏「それに、新しい捜査一課長があなたのことを話してくれましたしね。」

愛理「そうですか。」

大和「安心しろ。言いふらしたりはしねーよ」

愛理「ありがとうございます」

愛理と諸伏と大和が話しているうちに、鑑識や竹田班の人達が事件現場に到着したのだった。
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