桜庭愛理勘違いされます
歩美「怖いね…」
光彦「大変な時代に来てしまいましたね…」
灰原「世紀末のロンドンは大英帝国最後の最も良き時代だったと言われているけど、実際は貧富の差が激しくて、犯罪は悪質化し、人々の心が荒んでいった時代よ…」
蘭「そういえば、新一に聞いたことがある。シャーロック・ホームズが時代の光だとすれば、ジャック・ザ・リッパーは暗い影だったって…」
コナン「じゃあ時代の光に向かって急ごう!」
赤井「…ベイカー・ストリートまではあと少しだ」
私たちは路地を出て道を進もうとすると、行く手にはアコーディオンを弾く長い髭を生やした薄汚れた男がいた
「ジャック・ザ・リッパーにィ気を付けろぉ~、夜道でオマエを待ってるぞぉ~、死にたくなけりゃどーするかあ~、オマエも血まみれになるこったぁ~」
歌を歌い終わると彼はこちらをチラリと見てニヤ…っと笑った
愛理・コナン「!?」
菊川「どういう意味かしら?」
諸星「やられる前にやれってことじゃねぇか?」
「……」
ただの歌・・・だけど私にはどこか引っかかった
アコーディオンの彼と会って少しした後、私たちはベイカー・ストリートのシャーロック・ホームズの下宿先に到着した
蘭ちゃんが扉につけてある取手でコンコンとノックをする
すると少しして金髪の女の人が出てきた
恐らく彼女は下宿先の主であるハドソン夫人だろう
ハドソン「こんな夜中にどちらさま?」
蘭「あ、あの、毛利蘭と言います。ホームズさんにお会いしたいんですけど…」
ハ「ホームズさんとワトスン博士は出張でいませんよ?」
蘭「…出張?」
ハ「ええ、ダートムーアと言う田舎に…」
(!ノアズ・アークの仕業ね…。シャーロック・ホームズはお助けキャラじゃないの?)
ダートムーアに行くには馬車が必要…半日ほどかかる距離である
依頼をこなして日帰りで帰ってくるのは厳しい
「すみませんが、今日は何日ですか?」
ハドソン「9月30日よ」
子供の私の質問に彼女は嫌な顔1つせずに答えてくれた
「パパ…その日って」
赤井「ああ…恐らくバスカビル家の犬事件だろう」
コナン「!そうだ!」
蘭「ちょうど2人がロンドンを離れている時だわ!」
赤井「…このゲームが終わるまでに帰って来るのは無理だろうな」
どうやらシャーロック・ホームズを頼るのは無理らしい
確かに天才的な彼とパパ、新一君の脳があればゲームはいとも簡単に進むだろう
ノアズ・アークはそれを良しとしないみたいね
ハドソン「あなたたち、2週間前の事件でホームズさんに協力して大手柄だったそうね…さあさあ、お上がりなさい。温かいミルク・ティーを入れて差し上げますよ…」
そう言ってハドソン夫人は家の中に戻っていった
蘭「誰かと人違いしているみたい…」
コナン「そうか!オレたちのこと、ベイカー・ストリート・イレギュラーズと間違えているんだ」
赤井「でも子供だから出来ることもある。まあ、相手にしてくれない人もいるけど…、子供ならって口が軽くなって話してくれる人もいる。子供は不利な点もあるけど良い点だってある!シャーロック・ホームズに出てくるベイカー・ストリート・イレギュラーズがその証拠さ!ほら、行くぞ!」
そう言って私の手を引いた無邪気なパパ。興奮してるんだな。こんなパパ初めて見た
赤井「ん?どうした?」
「なんでもない」
赤井「?」
私たちは中にホームズの部屋の中に入っていく
部屋を細かく見ていくと写真立てもあり、その中にはこの世界のシャーロック・ホームズであろう優作さんとワトスンであろう博士の姿があった
そして、ハドソンさんはお茶を入れるために部屋を後にした
私たちはここぞとばかりにシャーロック・ホームズが集めているであろうジャック・ザ・リッパーの資料を探す
英語で書かれているはずの文章は全て日本語で読めるようになっていた
私が手に取ったのはアルバムらしく開いてすぐに戻そうかと思ったけれど私は目が釘付けになってしまった
「(……お父さん)」
そこにいたのは優作さんと一緒に写っているお父さんの姿だった
お父さんはこの国の警察の服を着ている
どうやら優作さんは警察としてお父さんをこのゲームに組み込んだみたい
アルバムに人物名は書いていないためどんなキャラクターかは分からなかった
この世界のどこかにいるデータではあるが動いているお父さんをこの目で見たいとも思ったけど、感傷に浸って目的を見失ってはいけない
私は再びジャック・ザ・リッパーに関する資料を探し始めた
赤井「・・・」
各々資料を探していると蘭ちゃんが資料を見つけたようでこちらに持ってくる
私たちは内容を読み進めていった
最近起きた事件は9/8に2人目の犠牲者、ハニー・チャールストンという41歳1人暮らしの女性が殺された事件だった
遺体発見場所はホワイト・チャペル地区のセント・マリー教会に隣接する空き地で遺留品は2つのサイズの違う指輪らしい
また、シャーロック・ホームズはジャック・ザ・リッパーがモリアーティ教授と繋がっていると見ているらしい
モリアーティ教授はホームズの宿敵にしてヨーロッパ全土に絶大な影響力を及ぼしていると言われている犯罪界のナポレオンだ
蘭ちゃんの話によるとモリアーティ教授は影で糸を引いているが中々姿を現さない人物。そこで、教授に繋がる人物、セバスチャン・モラン大佐に会うことに私たちの方針は決まった
彼はダウンタウンのトランプクラブを根城にしているらしい
今後の方針が決まり、この部屋を出て行こうとした時
元太「うっひょーお!本物の銃だせ!」
と元太くんの興奮した声が聞こえてきた
コナン「戻すんだ!元太!」
元太「で、でもよう、おっかないヤツなら会いに行くんだろ?」
「使い慣れていない武器は役に立たないし、争いの元になるわ。置いていきなさい」
元太「セ、センセーがそう言うなら…」
そうして元太くんは慌てて銃を引き出しの中に戻した
「(銃・・・)」
この身体でなければたぶん私もパパも武器として使えたはず・・・でもこの身体では銃の反動に耐えられるかギリギリなところ
「パパ、あの銃使える?」
私はコソッとパパに耳打ちをする
赤井「いや、確実にいきなり実践で使えるとは言い難いな。下手したら怯んでいる隙に他のやつにやられる」
貴「…だよね」
今回は諦めるしか無さそうだ
コナン「さあ、遅くならない内に行こう!」
新一君の声に続いて私たちはホームズの下宿先を後にした
光彦「大変な時代に来てしまいましたね…」
灰原「世紀末のロンドンは大英帝国最後の最も良き時代だったと言われているけど、実際は貧富の差が激しくて、犯罪は悪質化し、人々の心が荒んでいった時代よ…」
蘭「そういえば、新一に聞いたことがある。シャーロック・ホームズが時代の光だとすれば、ジャック・ザ・リッパーは暗い影だったって…」
コナン「じゃあ時代の光に向かって急ごう!」
赤井「…ベイカー・ストリートまではあと少しだ」
私たちは路地を出て道を進もうとすると、行く手にはアコーディオンを弾く長い髭を生やした薄汚れた男がいた
「ジャック・ザ・リッパーにィ気を付けろぉ~、夜道でオマエを待ってるぞぉ~、死にたくなけりゃどーするかあ~、オマエも血まみれになるこったぁ~」
歌を歌い終わると彼はこちらをチラリと見てニヤ…っと笑った
愛理・コナン「!?」
菊川「どういう意味かしら?」
諸星「やられる前にやれってことじゃねぇか?」
「……」
ただの歌・・・だけど私にはどこか引っかかった
アコーディオンの彼と会って少しした後、私たちはベイカー・ストリートのシャーロック・ホームズの下宿先に到着した
蘭ちゃんが扉につけてある取手でコンコンとノックをする
すると少しして金髪の女の人が出てきた
恐らく彼女は下宿先の主であるハドソン夫人だろう
ハドソン「こんな夜中にどちらさま?」
蘭「あ、あの、毛利蘭と言います。ホームズさんにお会いしたいんですけど…」
ハ「ホームズさんとワトスン博士は出張でいませんよ?」
蘭「…出張?」
ハ「ええ、ダートムーアと言う田舎に…」
(!ノアズ・アークの仕業ね…。シャーロック・ホームズはお助けキャラじゃないの?)
ダートムーアに行くには馬車が必要…半日ほどかかる距離である
依頼をこなして日帰りで帰ってくるのは厳しい
「すみませんが、今日は何日ですか?」
ハドソン「9月30日よ」
子供の私の質問に彼女は嫌な顔1つせずに答えてくれた
「パパ…その日って」
赤井「ああ…恐らくバスカビル家の犬事件だろう」
コナン「!そうだ!」
蘭「ちょうど2人がロンドンを離れている時だわ!」
赤井「…このゲームが終わるまでに帰って来るのは無理だろうな」
どうやらシャーロック・ホームズを頼るのは無理らしい
確かに天才的な彼とパパ、新一君の脳があればゲームはいとも簡単に進むだろう
ノアズ・アークはそれを良しとしないみたいね
ハドソン「あなたたち、2週間前の事件でホームズさんに協力して大手柄だったそうね…さあさあ、お上がりなさい。温かいミルク・ティーを入れて差し上げますよ…」
そう言ってハドソン夫人は家の中に戻っていった
蘭「誰かと人違いしているみたい…」
コナン「そうか!オレたちのこと、ベイカー・ストリート・イレギュラーズと間違えているんだ」
赤井「でも子供だから出来ることもある。まあ、相手にしてくれない人もいるけど…、子供ならって口が軽くなって話してくれる人もいる。子供は不利な点もあるけど良い点だってある!シャーロック・ホームズに出てくるベイカー・ストリート・イレギュラーズがその証拠さ!ほら、行くぞ!」
そう言って私の手を引いた無邪気なパパ。興奮してるんだな。こんなパパ初めて見た
赤井「ん?どうした?」
「なんでもない」
赤井「?」
私たちは中にホームズの部屋の中に入っていく
部屋を細かく見ていくと写真立てもあり、その中にはこの世界のシャーロック・ホームズであろう優作さんとワトスンであろう博士の姿があった
そして、ハドソンさんはお茶を入れるために部屋を後にした
私たちはここぞとばかりにシャーロック・ホームズが集めているであろうジャック・ザ・リッパーの資料を探す
英語で書かれているはずの文章は全て日本語で読めるようになっていた
私が手に取ったのはアルバムらしく開いてすぐに戻そうかと思ったけれど私は目が釘付けになってしまった
「(……お父さん)」
そこにいたのは優作さんと一緒に写っているお父さんの姿だった
お父さんはこの国の警察の服を着ている
どうやら優作さんは警察としてお父さんをこのゲームに組み込んだみたい
アルバムに人物名は書いていないためどんなキャラクターかは分からなかった
この世界のどこかにいるデータではあるが動いているお父さんをこの目で見たいとも思ったけど、感傷に浸って目的を見失ってはいけない
私は再びジャック・ザ・リッパーに関する資料を探し始めた
赤井「・・・」
各々資料を探していると蘭ちゃんが資料を見つけたようでこちらに持ってくる
私たちは内容を読み進めていった
最近起きた事件は9/8に2人目の犠牲者、ハニー・チャールストンという41歳1人暮らしの女性が殺された事件だった
遺体発見場所はホワイト・チャペル地区のセント・マリー教会に隣接する空き地で遺留品は2つのサイズの違う指輪らしい
また、シャーロック・ホームズはジャック・ザ・リッパーがモリアーティ教授と繋がっていると見ているらしい
モリアーティ教授はホームズの宿敵にしてヨーロッパ全土に絶大な影響力を及ぼしていると言われている犯罪界のナポレオンだ
蘭ちゃんの話によるとモリアーティ教授は影で糸を引いているが中々姿を現さない人物。そこで、教授に繋がる人物、セバスチャン・モラン大佐に会うことに私たちの方針は決まった
彼はダウンタウンのトランプクラブを根城にしているらしい
今後の方針が決まり、この部屋を出て行こうとした時
元太「うっひょーお!本物の銃だせ!」
と元太くんの興奮した声が聞こえてきた
コナン「戻すんだ!元太!」
元太「で、でもよう、おっかないヤツなら会いに行くんだろ?」
「使い慣れていない武器は役に立たないし、争いの元になるわ。置いていきなさい」
元太「セ、センセーがそう言うなら…」
そうして元太くんは慌てて銃を引き出しの中に戻した
「(銃・・・)」
この身体でなければたぶん私もパパも武器として使えたはず・・・でもこの身体では銃の反動に耐えられるかギリギリなところ
「パパ、あの銃使える?」
私はコソッとパパに耳打ちをする
赤井「いや、確実にいきなり実践で使えるとは言い難いな。下手したら怯んでいる隙に他のやつにやられる」
貴「…だよね」
今回は諦めるしか無さそうだ
コナン「さあ、遅くならない内に行こう!」
新一君の声に続いて私たちはホームズの下宿先を後にした