桜庭愛理 推理します

―東京・サクラホテル、PM6:02

さくらホテルでは盛大なレセプションパーティーが開かれていた。

上空では警察のヘリが飛んでおり、本部と要人警護の要請は来ていないかと連絡を取り合っている。パーティーは30分ごろから開催される予定だった。

園子「あーもうっ!蘭も愛理姉もまだかしら!」

コナン「…愛理お姉ちゃんの用事って何だろうね?」

小五郎「さあな。愛理ちゃんは忙しいから」

園子「愛理姉はまだ間に合うからいいとして、蘭よ!せっかくイケメン芸能人や、スポーツ選手にたくさん会えるチャンスなのに…空手のお稽古だと~っ?」

パーティー会場はロビーより5つ上の階なのだが、愛理と待ち合わせのため、3人はロビーにいた。

コナン「相変わらず好きだね、園子ねーちゃん。」

園子「ほんと、蘭ってもの好きよね…気が知れんわ」

オメーのことだよ…とぼやくコナンに園子は気づかず、ある一点を指さした。

園子「何かしら、あの人だかり」

そこは、このホテルの中でも大きな部屋がある場所で、中に入ろうとする人でちょっとした人だかりになっていた。

コナン「何かあるのかなあ‥あ、すみません」

「はい、どうかなさいましたか?」

コナンが通りがかってホテルマンに声をかける。

コナン「あそこって、今夜、何かあるの?」

「え。ああ‥あそこは大きな舞台があるんです。月に一度、ホテルの主催ディナーパーティーを開くんですよ。今日がその日です。」

ディナーパーティーといっても、そんな格式高いものではなく、ホテルの宿泊客をはじめ、いろんな人が来る人気イベントらしい。

「お客様がディナーを楽しむ中で、いろんな方面の音楽家たちを何組かお呼びして、演奏していただくんです」

コナン「へえ・・いつもあんな人だかりができるの?」

「いえ。いつもは人だかりができるほどでは‥そういえば、今日のメインゲストは有名なモデルだって言ってたなあ」

ホテルマンがふと漏らしたその単語に、コナンと園子、小五郎は目を見張った。

コナン「有名なモデルさん?」

「確か、今日のディナーを監修したとも言ってたような…」

園子「それって・・・」

コナン「おにーさん、それって僕たちも行っていいの?」

ホテルマンは快く微笑んだ。
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