桜庭愛理 推理します
笛川は世良と安室の言葉に反論するが、二人は間違った事は言っていない。
緊迫する空気に椎奈は多少の居心地の悪さを感じつつ会話は最後の一人、キーボード担当の小暮の話へと戻った。
彼女はスタジオに入ってすぐ山路への配慮でキーボードの位置をずらし、曲の直しを行ったそうだ。
無論その姿も後ろ姿ではあるが監視カメラに映っており、彼女の楽譜は書きなおされた箇所がある。
その後二人と同じように山路を起こしてみたが返事はなく、休憩所へ戻った
警察はその後凶器を探しに乗り出した。
だがスタジオ内にそれらしきヒモ状の物はなく、目暮たちの顔に焦りの色が浮かぶ。
その頃には事件が起きた事は他の利用者にも知れ渡り、ロビーには状況を聞きに来たバンドマン達の姿がちらほらと見受けられた
世良「…」
愛理「どうしたの?真澄ちゃん…」
園子「あの人達怪しんでるの?」
その内の二人組を世良が興味深そうに見ていた。
それに気づいた愛理たちの問いかけにこちらを振り返った世良は苦笑しながら話しだす
世良「あ、いや…ギターケースを背負ってる人を見ると思い出しちゃうんだ…4年前…駅の向こう側のプラットホームにたたずむ…ギターケースを背負った秀兄をな!!」
世良が何気なく話し出したその内容は、一部の人間にはとても衝撃的なものだった。
なんと彼女は表上死んだことにされている赤井の妹だったのだ。
赤井と世良、2人の目元や頭脳明晰な部分などよく似ている
コナンは大きく目を見開いて驚いており、安室は目を細めて世良を見ていた。
しかし世良はそんな2人に気づかず話を続けた
世良「ボクその時友達と映画観た帰りだったんだけど走って秀兄と同じ電車に飛び乗ったんだ!どうしても秀兄のギターが聞きたくてね!」
蘭「へー…」
園子「それで?それで?」
世良「何度か乗り換えた駅のホームで秀兄に見つかっちゃってさ…『帰れ』って怒られたんだけどお金もないし帰り方もわからないって言ったら『切符買ってきてやるから待ってろ』ってボクをホームに残して行っちゃったんだ…」
そう言って苦く笑う世良に蘭が「それで?言われた通りに待ってたの?」と続きを促す
世良「ああ…泣きそうな気分でね…でもさ、その時秀兄の連れの男が『君…音楽好きか?』って言ってケースからベースを出してさ…ボクに教えてくれたんだ…」
そこまで話を聞いて、今まで黙っていた愛理が口を開いた
愛理「…その人の名前聞いた?」
世良「いや…聞いてないけど…そのホームに来た別の連れの男がその人の事をこう呼んでたよ…『スコッチ』ってね…」
世良がそう言った途端、安室の視線が一層鋭く世良を射抜いた。
愛理がそれを横目で見やる。
スコッチ。
それはウィスキーの一種として知られる名で、それを持つということはあることを意味していた。
謎の多いこの少女・世良は何気ないその話を覚えている。
果たしてそれは探偵故に記憶がいいだけなのか
世良「でもさ…彼をそう呼んだその男…帽子を目深に被ってたから顔はよく見えなかったけど───」
そう言って、世良がある人物を振り返る
世良「似てる気がするんだよね…安室さん…アンタにな!!」
安室「人違いですよ…そんな昔話より今、ここで起きた事件を解決しませんか?君も探偵なんだよね?」
世良「ああ…そうだな…」
何事もないかのように、平然とした表情で話を晒した安室。
世良としては自分の思い出の断片を語ることで安室に揺さぶりをかけたかったため、いい顔をしない。
当時の自分がなんとなく感じた『スコッチ』という人物に対する怪しい部分、そしてその男の友人と見られる安室と推測される男の正体を見抜きたかった。
もし男の正体が安室だったとしたら、安室は彼女の兄のことで何か知っているはずである。
いや、兄だけではなく、兄といたギターケースを背負った男の行方も…。
しかしなかなかうまくいかないものだ。
だがとりあえず今は、安室の言う通りこの目の前の事件を解き明かさなければならないのであった
緊迫する空気に椎奈は多少の居心地の悪さを感じつつ会話は最後の一人、キーボード担当の小暮の話へと戻った。
彼女はスタジオに入ってすぐ山路への配慮でキーボードの位置をずらし、曲の直しを行ったそうだ。
無論その姿も後ろ姿ではあるが監視カメラに映っており、彼女の楽譜は書きなおされた箇所がある。
その後二人と同じように山路を起こしてみたが返事はなく、休憩所へ戻った
警察はその後凶器を探しに乗り出した。
だがスタジオ内にそれらしきヒモ状の物はなく、目暮たちの顔に焦りの色が浮かぶ。
その頃には事件が起きた事は他の利用者にも知れ渡り、ロビーには状況を聞きに来たバンドマン達の姿がちらほらと見受けられた
世良「…」
愛理「どうしたの?真澄ちゃん…」
園子「あの人達怪しんでるの?」
その内の二人組を世良が興味深そうに見ていた。
それに気づいた愛理たちの問いかけにこちらを振り返った世良は苦笑しながら話しだす
世良「あ、いや…ギターケースを背負ってる人を見ると思い出しちゃうんだ…4年前…駅の向こう側のプラットホームにたたずむ…ギターケースを背負った秀兄をな!!」
世良が何気なく話し出したその内容は、一部の人間にはとても衝撃的なものだった。
なんと彼女は表上死んだことにされている赤井の妹だったのだ。
赤井と世良、2人の目元や頭脳明晰な部分などよく似ている
コナンは大きく目を見開いて驚いており、安室は目を細めて世良を見ていた。
しかし世良はそんな2人に気づかず話を続けた
世良「ボクその時友達と映画観た帰りだったんだけど走って秀兄と同じ電車に飛び乗ったんだ!どうしても秀兄のギターが聞きたくてね!」
蘭「へー…」
園子「それで?それで?」
世良「何度か乗り換えた駅のホームで秀兄に見つかっちゃってさ…『帰れ』って怒られたんだけどお金もないし帰り方もわからないって言ったら『切符買ってきてやるから待ってろ』ってボクをホームに残して行っちゃったんだ…」
そう言って苦く笑う世良に蘭が「それで?言われた通りに待ってたの?」と続きを促す
世良「ああ…泣きそうな気分でね…でもさ、その時秀兄の連れの男が『君…音楽好きか?』って言ってケースからベースを出してさ…ボクに教えてくれたんだ…」
そこまで話を聞いて、今まで黙っていた愛理が口を開いた
愛理「…その人の名前聞いた?」
世良「いや…聞いてないけど…そのホームに来た別の連れの男がその人の事をこう呼んでたよ…『スコッチ』ってね…」
世良がそう言った途端、安室の視線が一層鋭く世良を射抜いた。
愛理がそれを横目で見やる。
スコッチ。
それはウィスキーの一種として知られる名で、それを持つということはあることを意味していた。
謎の多いこの少女・世良は何気ないその話を覚えている。
果たしてそれは探偵故に記憶がいいだけなのか
世良「でもさ…彼をそう呼んだその男…帽子を目深に被ってたから顔はよく見えなかったけど───」
そう言って、世良がある人物を振り返る
世良「似てる気がするんだよね…安室さん…アンタにな!!」
安室「人違いですよ…そんな昔話より今、ここで起きた事件を解決しませんか?君も探偵なんだよね?」
世良「ああ…そうだな…」
何事もないかのように、平然とした表情で話を晒した安室。
世良としては自分の思い出の断片を語ることで安室に揺さぶりをかけたかったため、いい顔をしない。
当時の自分がなんとなく感じた『スコッチ』という人物に対する怪しい部分、そしてその男の友人と見られる安室と推測される男の正体を見抜きたかった。
もし男の正体が安室だったとしたら、安室は彼女の兄のことで何か知っているはずである。
いや、兄だけではなく、兄といたギターケースを背負った男の行方も…。
しかしなかなかうまくいかないものだ。
だがとりあえず今は、安室の言う通りこの目の前の事件を解き明かさなければならないのであった