スケアリー・モンスターズ
それから1ヶ月後、ハロウィーンまで8日前と差しかかった。
講堂では、ハロウィーン運営委員とクロウリーとロゼッタが揃っていた。
ロゼッタ「ハロウィーン運営委員は全員集まりましたか?」
ヴィル「ポムフィオーレはみんな揃ったわ」
ケイト「ハーツラビュルもオッケー♪デュースちゃんなんて会議時間の1時間前から座ってたし」
カリム「おっ。やる気十分だな~!オレも負けてらんないぜ」
ケイトの暴露にデュースが慌てる横で、カリムはいつも通りカラカラと笑った。
アズール「おや、イデアさん。今日は珍しくタブレットではなく生身での出席なんですね」
イデア「ひひひ……今日は後ほど見せたいものがありますからな!」
学園長「これで全員ですかね?」
リリア「マレウスも運営委員なんじゃが……あやつのことは今シルバーたちが探しておる!もうすぐ来るはずじゃ、しばし待たれよ」
ヴィル「また呼び忘れたのね……」
ロゼッタ「ごめんなさい、ヴィルさん。私の確認不足です…」
ヴィル「ロゼッタのせいじゃないわよ。責めるつもりもないわ。いつものことでしょう」
相変わらずの展開にヴィルがため息を吐いた直後、講堂のドアが開かれ、マレウスが現れた。
マレウス「……待たせたな」
リリア「おお、来たか。思ったより早く見つかってよかったよかった」
学園長「えー……では、これよりハロウィーン運営委員の会議を始めます。では、運営委員長のシェーンハイトくん!いつも通りの進行をお願いします」
ヴィル「はい」
クロウリーの指示に、ヴィルが席を立つ。
今回の運営委員長として選ばれたヴィルは、毅然とした態度で教壇に立ち言った。
ヴィル「……いよいよハロウィーンまであと8日。明日から『ハロウィーンウィーク』が始まるわ。最後にもう一度スタンプラリーの実施要項を確認をします」
手元の資料を読みながら、ヴィルは説明をする。
ヴィル「『ハロウィーンウィーク』の間、一般客向けに開催するスタンプラリーでは……7つのスタンプを集めてくれたお客さんに正門でお菓子をプレゼント」
ケイト「ハロウィーンはたくさん地元のお客さんが来るのにプレゼントだなんて……さっすが学園長。太っ腹~♪」
ケイトの言葉に、クロウリーは満更でもない態度を見せた。
学園長「まあねえ。地元の方には普段からお世話になってますし、これぐらいのお礼は当然ですよ~」
ジェイド「1つ約100マドル未満の小さな袋詰めキャンディですけどね」
学園長「大切なのは感謝の気持ちなんです。気・持・ち!」
ヴィル「アンタたち、話の腰を折るのはやめなさい。続けるわよ?」
ジェイドがさらっとバラした直後、クロウリーが念を押すように言った。
それを見て、ヴィルが素早く軌道修正した。
ヴィル「スタンプラリーの実施時間は朝10時から、夜22時まで。その間、スタンプラリー会場は無人にしないこと。会場に来た参加者にスタンプを押すためよ。スタンプ係は授業も免除されるわ。長丁場だけど、各寮で交代しながら対応するように」
ジャック「寮に戻ったら、即シャワー浴びてダッシュで寝ねえと1週間もたねぇな」
イデア「22時とか……そっからが1日の本番の時間でしょ……」
ロゼッタ「フフっ・・・ジャック君は健康的でいいわね」
ジャック「ありがとうございます」
毎日22時には寝ているジャックの言葉に、イデアはぼそりとそう言った。
朝型と夜型では、それくらいの差異が出るのは仕方ない。
デュース「この1ヶ月間……やることが多くてめちゃくちゃ大変でしたが、明日からも気合入れて挑まないといけないっすね」
リリア「確かに仮装と会場を同時進行で制作するのは目が回る忙しさじゃったのぅ」
エペル「はあ……衣装の準備、すごく大変だったなあ」
衣装の準備を思い出して遠い目をするエペルに、ヴィルは言った。
ヴィル「当たり前でしょう。ポムフィオーレは寮長であるアタシが運営委員長を務めているんだから。それに、美の精神に基づく寮の仮装がチープだなんて、お話にならない。でも悩んだ甲斐あって、素晴らしい仕上がりになったわ」
学園長「おや。みなさんのその表情を見るに……どうやら自分たちの仕事に自信たっぷりのようですね?」
「「「もちろん!」」」
みんなの話を聞いた学園長の言葉に、全員が同じ回答をする。
その顔には自信に満ち溢れている。
ジャック「サバナクローのセットはすげぇぜ。俺たちにしかできねぇ、自慢の作品になった」
アズール「オクタヴィネルも非常にユニークな飾り付けになりました。きっとお楽しみいただけるかと」
カリム「オレんところは衣装にも注目してもらいたいな」
イデア「いやいやいや、衣装でしたら細部にまでこだわり抜いたうちの寮が確実に一番ですし」
各々が自寮のスタンプラリー会場を言っていると、ヴィルはくすりと笑った。
ヴィル「フン、そうこなくちゃね。それじゃあ……今から各寮が用意したスタンプラリーの会場と仮装を拝見させていただくとしましょう。中途半端なものを見せたら容赦しないわよ。みんな、準備はいい?」
「「「おー!!」」」
ヴィルの言葉に一斉に返事を返す。
その様子を見て、クロウリーは満足そうに見ていた。
学園長「うんうん。全員やる気に満ち溢れていて素晴らしい!どんな生徒でも、毎年ハロウィーンにはやる気を出してくれる。いつもこうなら、どんなにいいことか……」
ロゼッタ「それはちょっと難しいかもしれませんね」
ヴィル「そろそろ行かない?スタンプラリー会場は学園内を点々としてるから、回るのに時間がかかるかも」
学園長「おっと、それもそうですね。ではまず……ディアソムニアが準備したスタンプラリー会場の様子を見にいきましょうか。事前に提出してもらった資料によるとディアソムニア寮の選んだ場所は……」
マレウス「オンボロ寮だ」
クロウリーが確認をする前に、マレウスがはっきりと言った。
マレウス「ハロウィーンにふさわしい廃墟はあの場所しかないとずっと思っていた」
学園長「ではみなさん。ハロウィーンツアーに出発です!」
ロゼッタ「楽しみね、ユウ」
監督生「はい!」
そしてオンボロ寮を勝手に会場として申請許可した元凶は、笑顔でそう言うのだった。(ロゼッタにバレた後、こっぴどく叱られたらしい…)
講堂では、ハロウィーン運営委員とクロウリーとロゼッタが揃っていた。
ロゼッタ「ハロウィーン運営委員は全員集まりましたか?」
ヴィル「ポムフィオーレはみんな揃ったわ」
ケイト「ハーツラビュルもオッケー♪デュースちゃんなんて会議時間の1時間前から座ってたし」
カリム「おっ。やる気十分だな~!オレも負けてらんないぜ」
ケイトの暴露にデュースが慌てる横で、カリムはいつも通りカラカラと笑った。
アズール「おや、イデアさん。今日は珍しくタブレットではなく生身での出席なんですね」
イデア「ひひひ……今日は後ほど見せたいものがありますからな!」
学園長「これで全員ですかね?」
リリア「マレウスも運営委員なんじゃが……あやつのことは今シルバーたちが探しておる!もうすぐ来るはずじゃ、しばし待たれよ」
ヴィル「また呼び忘れたのね……」
ロゼッタ「ごめんなさい、ヴィルさん。私の確認不足です…」
ヴィル「ロゼッタのせいじゃないわよ。責めるつもりもないわ。いつものことでしょう」
相変わらずの展開にヴィルがため息を吐いた直後、講堂のドアが開かれ、マレウスが現れた。
マレウス「……待たせたな」
リリア「おお、来たか。思ったより早く見つかってよかったよかった」
学園長「えー……では、これよりハロウィーン運営委員の会議を始めます。では、運営委員長のシェーンハイトくん!いつも通りの進行をお願いします」
ヴィル「はい」
クロウリーの指示に、ヴィルが席を立つ。
今回の運営委員長として選ばれたヴィルは、毅然とした態度で教壇に立ち言った。
ヴィル「……いよいよハロウィーンまであと8日。明日から『ハロウィーンウィーク』が始まるわ。最後にもう一度スタンプラリーの実施要項を確認をします」
手元の資料を読みながら、ヴィルは説明をする。
ヴィル「『ハロウィーンウィーク』の間、一般客向けに開催するスタンプラリーでは……7つのスタンプを集めてくれたお客さんに正門でお菓子をプレゼント」
ケイト「ハロウィーンはたくさん地元のお客さんが来るのにプレゼントだなんて……さっすが学園長。太っ腹~♪」
ケイトの言葉に、クロウリーは満更でもない態度を見せた。
学園長「まあねえ。地元の方には普段からお世話になってますし、これぐらいのお礼は当然ですよ~」
ジェイド「1つ約100マドル未満の小さな袋詰めキャンディですけどね」
学園長「大切なのは感謝の気持ちなんです。気・持・ち!」
ヴィル「アンタたち、話の腰を折るのはやめなさい。続けるわよ?」
ジェイドがさらっとバラした直後、クロウリーが念を押すように言った。
それを見て、ヴィルが素早く軌道修正した。
ヴィル「スタンプラリーの実施時間は朝10時から、夜22時まで。その間、スタンプラリー会場は無人にしないこと。会場に来た参加者にスタンプを押すためよ。スタンプ係は授業も免除されるわ。長丁場だけど、各寮で交代しながら対応するように」
ジャック「寮に戻ったら、即シャワー浴びてダッシュで寝ねえと1週間もたねぇな」
イデア「22時とか……そっからが1日の本番の時間でしょ……」
ロゼッタ「フフっ・・・ジャック君は健康的でいいわね」
ジャック「ありがとうございます」
毎日22時には寝ているジャックの言葉に、イデアはぼそりとそう言った。
朝型と夜型では、それくらいの差異が出るのは仕方ない。
デュース「この1ヶ月間……やることが多くてめちゃくちゃ大変でしたが、明日からも気合入れて挑まないといけないっすね」
リリア「確かに仮装と会場を同時進行で制作するのは目が回る忙しさじゃったのぅ」
エペル「はあ……衣装の準備、すごく大変だったなあ」
衣装の準備を思い出して遠い目をするエペルに、ヴィルは言った。
ヴィル「当たり前でしょう。ポムフィオーレは寮長であるアタシが運営委員長を務めているんだから。それに、美の精神に基づく寮の仮装がチープだなんて、お話にならない。でも悩んだ甲斐あって、素晴らしい仕上がりになったわ」
学園長「おや。みなさんのその表情を見るに……どうやら自分たちの仕事に自信たっぷりのようですね?」
「「「もちろん!」」」
みんなの話を聞いた学園長の言葉に、全員が同じ回答をする。
その顔には自信に満ち溢れている。
ジャック「サバナクローのセットはすげぇぜ。俺たちにしかできねぇ、自慢の作品になった」
アズール「オクタヴィネルも非常にユニークな飾り付けになりました。きっとお楽しみいただけるかと」
カリム「オレんところは衣装にも注目してもらいたいな」
イデア「いやいやいや、衣装でしたら細部にまでこだわり抜いたうちの寮が確実に一番ですし」
各々が自寮のスタンプラリー会場を言っていると、ヴィルはくすりと笑った。
ヴィル「フン、そうこなくちゃね。それじゃあ……今から各寮が用意したスタンプラリーの会場と仮装を拝見させていただくとしましょう。中途半端なものを見せたら容赦しないわよ。みんな、準備はいい?」
「「「おー!!」」」
ヴィルの言葉に一斉に返事を返す。
その様子を見て、クロウリーは満足そうに見ていた。
学園長「うんうん。全員やる気に満ち溢れていて素晴らしい!どんな生徒でも、毎年ハロウィーンにはやる気を出してくれる。いつもこうなら、どんなにいいことか……」
ロゼッタ「それはちょっと難しいかもしれませんね」
ヴィル「そろそろ行かない?スタンプラリー会場は学園内を点々としてるから、回るのに時間がかかるかも」
学園長「おっと、それもそうですね。ではまず……ディアソムニアが準備したスタンプラリー会場の様子を見にいきましょうか。事前に提出してもらった資料によるとディアソムニア寮の選んだ場所は……」
マレウス「オンボロ寮だ」
クロウリーが確認をする前に、マレウスがはっきりと言った。
マレウス「ハロウィーンにふさわしい廃墟はあの場所しかないとずっと思っていた」
学園長「ではみなさん。ハロウィーンツアーに出発です!」
ロゼッタ「楽しみね、ユウ」
監督生「はい!」
そしてオンボロ寮を勝手に会場として申請許可した元凶は、笑顔でそう言うのだった。(ロゼッタにバレた後、こっぴどく叱られたらしい…)