スケアリー・モンスターズ
監督生SIDE
チャイムが鳴り、今日一日の授業は終わり。
ノートと教科書を鞄に入れていると、グリムが疲れた顔で伸びをした。
グリム「はあー。やっと今日もかったるい授業が終わった。おいっ、ユウ。今日はさっさと寮に帰って、オレ様と昨日のゲームの続きをするんだゾ!」
「はいはい。すっかりゲーム好きになったね」
いつも通りの会話をしながら、私たちは寮へと帰る。
グリム「いっつも思うけど、オンボロ寮と学校に距離がありすぎるんだゾ……」
「これくらい普通だよ。文句言わないの」
グリム「ふう。ついたんたゾ!ただーい………………まー…………?」
「えーと…………?」
そう会話しながら寮の前に来た私たちは、そこで足を止めた。
いい意味で趣のある、悪い意味でボロいと言われているオンボロ寮。
その寮が…………何故か中華風に飾り付けられていた。
グリム「う、うわ―――っ!バケモノだァ―――――ッ!!!」
グリムは目の前にある真っ赤な生き物――龍を見て悲鳴を上げる。
いや、それ以前にどうしてこうなってるのよ!?
私たちが学校に行っている間に何が!?
グリム「なにぼーっと突っ立ってんだユウ!さっさと逃げるんだゾッ!」
「グリム、落ち着いて。あれは……」
?「おお、帰ったか」
逃げようとするグリムを止めようとした直後、逆さになった少年が現れた。
グリム「おあ――っ!!後ろにもバケモンがァ―――ッ!!!」
「本物のモンスターのくせに何言ってるの!?」
?「くふふ、いいリアクションじゃのう~!」
思わずそうツッコんでいると、少年――リリア先輩はけたけた笑う。
リリア「思ったより早い帰宅じゃったのう」
グリム「オオ、オマエは……ディアソムニア寮の……いつも逆さまで出てくるヤツ!」
リリア「いかにも。神出鬼没の美少年リリア・ヴァンルージュとはわしのことよ」
神出鬼没で言えば、学園長といい勝負だ。
グリム「こんなところでなにして……っていうか話してる場合じゃねえんだゾ!あのでっけぇバケモンからとっとと逃げねぇと!」
リリア「落ち着け。あれは偽物。だたのハリボテじゃ」
グリム「……へ?偽物?」
リリア「うむ。木の骨組みに布を張り付けた我らディアソムニア寮生の力作よ。門も、ランタンも、今全員ではりきって作っておるところじゃ」
「作ってるって……これを全部っ?」
驚く私の前で、ディアソムニア寮生が次々と飾りつけしていった。
「いっせいに魔法をかけて門を立てるぞ。みんな頭上注意だー!」
「龍の尻尾はなるべく目立つように庭中に巡らせよう!」
リリア「うむうむ。遠慮はするなよ。思いっきりド派手にやれ!」
「「はいっ!」」
リリア先輩の指示に、寮がどんどん中華風に仕上がっていく。
話についていけない私たちは、呆然とするばかり。
グリム「な、なんなんだゾ、コレは……オレ様の寮がどんどんバケモノ屋敷に……!オイ!勝手にオレ様の寮をいじくり回すな~!」
リリア「勝手?学園長は二つ返事で『いいですよ!』と言ってくれたぞ?」
グリム「にゃんだとぉ!?学園長のヤツ~~~~~!」
リリア「まあそう言うな。せっかくのハロウィーンではないか!マレウスが『ハロウィーンを過ごすならオンボロ寮がいい』と言って譲らんかったのじゃ」
「ハロウィーン……ああ、もうそんな季節なんですか」
言われてみれば、門の前にはジャック・オ・ランタンが飾られている。
ハロウィーン……日本じゃあまり重要視されてないから、気付くのに時間がかかったわ。
リリア「嬉しかろう?このような豪華な飾り付け、お主らだけでは達成できまい。なあに、礼などいらぬ。ハロウィーンはみんなで楽しまねばな。はっはっは!」
「礼は言いませんが、せめてこちらにも話を通してからやってください。帰ったらいきなり中華風に飾られててびっくりしたんですから……」
リリア「すまんすまん。次からはちゃんと学園長にお主らに話を通しているのか聞いておくからの」
「ひっひっひ。随分と派手にやってるねぇ~」
そう会話していると、寮からゴーストたちが現れた。
リリア「おお、ゴーストたちも見学しにきたか」
「中に住んでいるユウとグリ坊に、ちぃとも遠慮しない大胆な飾り付け!」
「ディアソムニアはタガの外れ方のレベルが違うな!今年はすごいハロウィーンになりそうだ!」
リリア「くふふ、あまりそのように褒めるでないわ!」
「褒めてるのかな?これ」
正直、微妙な範囲だ。
そう思っていると、グリムが首を傾げながら聞いてきた。
グリム「……なあ。さっきから気になってたんだけど……何度も出てくる『はろうぃーん』ってなんなんだゾ。この騒ぎに関係があんのか?」
「「「えっ」」」
グリムからのまさかの質問に、私はリリア先輩とゴーストと一緒に声を上げる。
「グ、グリ坊……もしかしてハロウィーンを知らない、なんて言わないよな?」
グリム「知らねーんだゾ」
「「なにィッ!?」」
はっきりと答えたグリムに、リリア先輩とゴーストは驚きの声を上げた。
チャイムが鳴り、今日一日の授業は終わり。
ノートと教科書を鞄に入れていると、グリムが疲れた顔で伸びをした。
グリム「はあー。やっと今日もかったるい授業が終わった。おいっ、ユウ。今日はさっさと寮に帰って、オレ様と昨日のゲームの続きをするんだゾ!」
「はいはい。すっかりゲーム好きになったね」
いつも通りの会話をしながら、私たちは寮へと帰る。
グリム「いっつも思うけど、オンボロ寮と学校に距離がありすぎるんだゾ……」
「これくらい普通だよ。文句言わないの」
グリム「ふう。ついたんたゾ!ただーい………………まー…………?」
「えーと…………?」
そう会話しながら寮の前に来た私たちは、そこで足を止めた。
いい意味で趣のある、悪い意味でボロいと言われているオンボロ寮。
その寮が…………何故か中華風に飾り付けられていた。
グリム「う、うわ―――っ!バケモノだァ―――――ッ!!!」
グリムは目の前にある真っ赤な生き物――龍を見て悲鳴を上げる。
いや、それ以前にどうしてこうなってるのよ!?
私たちが学校に行っている間に何が!?
グリム「なにぼーっと突っ立ってんだユウ!さっさと逃げるんだゾッ!」
「グリム、落ち着いて。あれは……」
?「おお、帰ったか」
逃げようとするグリムを止めようとした直後、逆さになった少年が現れた。
グリム「おあ――っ!!後ろにもバケモンがァ―――ッ!!!」
「本物のモンスターのくせに何言ってるの!?」
?「くふふ、いいリアクションじゃのう~!」
思わずそうツッコんでいると、少年――リリア先輩はけたけた笑う。
リリア「思ったより早い帰宅じゃったのう」
グリム「オオ、オマエは……ディアソムニア寮の……いつも逆さまで出てくるヤツ!」
リリア「いかにも。神出鬼没の美少年リリア・ヴァンルージュとはわしのことよ」
神出鬼没で言えば、学園長といい勝負だ。
グリム「こんなところでなにして……っていうか話してる場合じゃねえんだゾ!あのでっけぇバケモンからとっとと逃げねぇと!」
リリア「落ち着け。あれは偽物。だたのハリボテじゃ」
グリム「……へ?偽物?」
リリア「うむ。木の骨組みに布を張り付けた我らディアソムニア寮生の力作よ。門も、ランタンも、今全員ではりきって作っておるところじゃ」
「作ってるって……これを全部っ?」
驚く私の前で、ディアソムニア寮生が次々と飾りつけしていった。
「いっせいに魔法をかけて門を立てるぞ。みんな頭上注意だー!」
「龍の尻尾はなるべく目立つように庭中に巡らせよう!」
リリア「うむうむ。遠慮はするなよ。思いっきりド派手にやれ!」
「「はいっ!」」
リリア先輩の指示に、寮がどんどん中華風に仕上がっていく。
話についていけない私たちは、呆然とするばかり。
グリム「な、なんなんだゾ、コレは……オレ様の寮がどんどんバケモノ屋敷に……!オイ!勝手にオレ様の寮をいじくり回すな~!」
リリア「勝手?学園長は二つ返事で『いいですよ!』と言ってくれたぞ?」
グリム「にゃんだとぉ!?学園長のヤツ~~~~~!」
リリア「まあそう言うな。せっかくのハロウィーンではないか!マレウスが『ハロウィーンを過ごすならオンボロ寮がいい』と言って譲らんかったのじゃ」
「ハロウィーン……ああ、もうそんな季節なんですか」
言われてみれば、門の前にはジャック・オ・ランタンが飾られている。
ハロウィーン……日本じゃあまり重要視されてないから、気付くのに時間がかかったわ。
リリア「嬉しかろう?このような豪華な飾り付け、お主らだけでは達成できまい。なあに、礼などいらぬ。ハロウィーンはみんなで楽しまねばな。はっはっは!」
「礼は言いませんが、せめてこちらにも話を通してからやってください。帰ったらいきなり中華風に飾られててびっくりしたんですから……」
リリア「すまんすまん。次からはちゃんと学園長にお主らに話を通しているのか聞いておくからの」
「ひっひっひ。随分と派手にやってるねぇ~」
そう会話していると、寮からゴーストたちが現れた。
リリア「おお、ゴーストたちも見学しにきたか」
「中に住んでいるユウとグリ坊に、ちぃとも遠慮しない大胆な飾り付け!」
「ディアソムニアはタガの外れ方のレベルが違うな!今年はすごいハロウィーンになりそうだ!」
リリア「くふふ、あまりそのように褒めるでないわ!」
「褒めてるのかな?これ」
正直、微妙な範囲だ。
そう思っていると、グリムが首を傾げながら聞いてきた。
グリム「……なあ。さっきから気になってたんだけど……何度も出てくる『はろうぃーん』ってなんなんだゾ。この騒ぎに関係があんのか?」
「「「えっ」」」
グリムからのまさかの質問に、私はリリア先輩とゴーストと一緒に声を上げる。
「グ、グリ坊……もしかしてハロウィーンを知らない、なんて言わないよな?」
グリム「知らねーんだゾ」
「「なにィッ!?」」
はっきりと答えたグリムに、リリア先輩とゴーストは驚きの声を上げた。