王子様と秘密のお嬢様 番外編

「この学園に入学した経緯を教えてください」

レオナ「おい…その質問、俺が同じ学年の奴と2歳も年齢が違う理由を聞いてんのか?あ?」

「え・・えっと」

レオナ「(いじめすぎたな)…なんてな。いちいち冗談におびえんな。別に隠してることでもない。最初に学園から入学の誘いが来たとき、俺はその案内を無視したんだ。」

「え?」

レオナ「ナイトレイブンカレッジで学ぶ内容なんて、王室が雇ってた教師どもにとっくに習い終わってたからな。わざわざレベルの低いヤツらに交じって知ってることを学ぶなんざ、時間の無駄だろ?だが・・・

チェカが生まれたことで事情が変わった。実家にいることの”うまみ”がほとんど消えた

だから、入学の案内が届いた翌年に、学園に来たってわけだ。」

「そうだった・・んですか」

レオナ「だから・・そんな顔するなよ‥・・ンで、もう1年は授業に出るのが怠すぎて出席日数が足りなかったから留年した。お前の出てた授業は出ていたがな…ま、今の生活は悪くない。ナイトレイブンカレッジに入ったのは結果として正解だったのかもなァ。」

「お話を聞かせてくださりありがとうございました。改めて、お誕生日おめでとうございます。ささやかですが‥これ、受け取ってもらえますか?」

ロゼッタの声は震えていた。レオナは誕生日プレゼントを快く受け取らないと知っているからだ。可愛い恋人のプレゼントを受け取らないはずがないのだが…

レオナ「…今開けてもいいか?」

「え・・・どうぞ」

ロゼッタがプレゼントしたのは…ライオンの刺繍が施されたタオルだった。

レオナ「・・タオル?」

「実用的に使えそうなものを選びました‥‥」

レオナ「この刺繍は…」

「私が…刺繍しました…その…受け取ってもらえますか?」

レオナ「フッ、ありがとな」

レオナはそういってロゼッタの頭をポンポンと撫でた。

「レオナさん‥‥生まれてきてくれてありがとうございます」

ロゼッタはそういうと、にっこりとレオナに向かってほほ笑んだ。

レオナ「!?」

レオナの目が見開く…

そんなことを言う人なんて1人もいなかったからだ

レオナ「…ありがとな」

レオナはギュッとロゼッタを抱きしめながら、こう言った

「パーティー用の料理、私が作ったんです…一緒に食べに行きましょう?ケーキもありますよ?」

レオナ「ああ」

レオナにとって今までで一番最高の誕生日になったことだろう

のちに、いつもレオナのことを世話焼いているハイエナが語った。
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