フェアリー・ガラ

ヴィル「残念ね。ロゼッタがトップに立てば、最高の女として磨き上げて上げるのに…

とりあえず、ポムフィオーレ寮の専属寮母の手続きは済ませておくわね」

「え?」

レオナ「おい、ヴィル!!」

「ヴィルさんの誘いは嬉しいんですが、ここの学生皆の寮母なので…」

ヴィル「残念ね。それと、レオナにこれ以上噛みつかれたくないから、やめておくわ。」

カリム「じゃあ、これでもう、一緒にレッスンを受けることもなくなるのか。
ちょっと寂しいよ」

「…大変だったけど、楽しかったわね」

カリム「だよな!そう思うよなー!」

「………でも、記憶には残ったわ。きっと妖精の皆さんにも、あの楽しい光景はずっと目に焼き付いていると思う」

そして、私の目にも、記憶にも…今回の事は焼き付けた。

グリム「ロゼッタ?どうしたんだゾ?」

ユウの肩に乗るグリム君が茫然としていた私を見て、言葉をかける。

ジャミル君と話すカリム君、

ヴィルさんと言い合うレオナさん、それを宥めるラギー君。

そして、心配そうに見つめてくるユウとグリム君

「…楽しかったわね、ユウ・グリム君」

監督生「はい、とっても」

グリム「オレ様疲れたんだゾ~」

「‥フフッ、今日の料理は豪華にしましょうか」

オンボロ寮の夕食はいつも私が作っているから、今日ぐらいは豪華にしてあげたい…

グリム「ほんとか!?」

カリム「あ、なら今日はうちに寄って行けよ!!

フェアリーガラ成功の宴、しようぜ!」

ジャミル「カリム!勝手に…ちょ、話を聞け!!」

早速鏡の間へ走り出すカリム君を止めるジャミル君。

衣装を汚さない!と怒鳴るヴィルさん、

欠伸を隠さないレオナさんと、タダ飯が食えると笑うラギー君。

そんな彼らと共に、私も声をあげて笑ったのだった。

願わくば……こんな幸せな日々がずっと続いてほしい
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