フェアリー・ガラ

カリム「魔法石も取り戻せたし、これで学園も元通り。一件落着だな」

監督生「そうですね…これで学園にも春が来ますし」

ヴィル「アンタ達」

すると、前方からヴィルさんとクルーウェル先生が此方に歩み寄ってきた。

ヴィル「終わったわね」

ジャミル「クルーウェル先生とヴィル先輩。随分タイミングがいいですね」

クルーウェル「シュラウドの作ったドローン中継で会場の様子は全て見ていた」

「ドローン?」

レオナ「……で?どうだったんだ?俺達のショーは」

ヴィル「……」

暫く真剣な表情のヴィルさんだったが、ふっと微笑してくれた。

ヴィル「合格よ。実力以上を発揮できたんじゃない?コーチのアタシに感謝しなさい」

カリム「先生~!」

ラギー「だからなんなんッスか、この茶番は」

ジャミル「まあ気持ちは少しわかる。レッスンはすごく大変だったからな」

監督生「ロゼッタさんには優しかったのに…」

ヴィル「なんかいった?」

監督生「何にもです!」

クルーウェル「グッボーイなお前達に……特別なご褒美を用意しているぞ」

ラギー「えっご褒美!?どんなご褒美ッスか!?」

グリム「ツナ缶がいいゾー!」

「食いつきが速いわね・・」

クルーウェル「俺の用意した……次の衣装だ!」

「・・・え?」

ジャミル「次?次ってどういう……」

クルーウェル先生の言葉に困惑する私達。
そしてその隣に立つヴィルさんも笑みを浮かべる…

ヴィル「中継を見ていて確信したわ。
アタシのプロデュースしたこのチームならまだまだ上を狙える。

パワーアップのためにラギーやグリムや監督生を加えて」

監督生「はい!?」

ヴィル「次はツイステッドワンダーランドで一番大きなコレクションに出るわよ!!!」

「「「「出る訳ないだろ!!!!」」」」

意気揚々と宣言するヴィルさんに私以外は盛大にツッコンだ。

そして、魔法石をクルーウェル先生に預ける。

…ご褒美は全員辞退した。

ヴィル「それにしてもカリムのパフォーマンスはなかなかだったわ。
楽しんでいるのが伝わってきた
。ちょっと細部は粗かったけど……ジャミルがうまくサポートしてた」

カリム「だろ~?オレ達息ピッタリなんだよ!
……あーあ!でも残念だなあ~!!
みんな、フェアリーガラ以外のファッションショーには出ないって言うし……」
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