フェアリー・ガラ

妖精【なんだ……?このあたり……すごく、人間くさい!】

妖精【妖精の祝祭に人間が紛れ込んでいたのか?なんと不敬な!】

妖精【匂いが近い。どこに隠れている!出てこい!】

ラギー「このままじゃ見つかっちまう!」

どうすれば…と思っていたら、妖精の1人が此方に近付いてきた。


妖精【ここか!?】


ハッと身を固めた時___。

__「おい、お前」

突然聞こえた見知った声に顔を上げる。

ラギー「こ、この声は……!」

茂みから様子をうかがうと…今、私達に近付いてきた妖精の背後にレオナ先輩とロゼッタさんが立っていた。

レオナ「お前だよ、お前」

妖精【あっ、あなたは……

  さっきのショーで会場中を感動の渦に巻き込んだ……、

  どこぞの高貴な妖精様方!!!!】

レオナ「こっちを見ろ」

そういう彼に吸い寄せられるように妖精達は茂みから離れる。

ラギー「レオナさ~ん!ロゼッタちゃん~!ナイスタイミングッス~!!」

グリム「アイツら、オレ様達を助けにきてくれたのか!?」

ラギー「たぶんそうッス」

た、助かった…とレオナ先輩とロゼッタさんを見る私達。

レオナ「俺の控え室の水がぬるい。
俺は冷えた水しか飲まないんだ。今すぐ取り替えろ」

ロゼッタ「お願いできませんか?」

グリム「レオナのヤツ、ああいう偉そうな演技がめちゃくちゃ似合うんだゾ……」

「いやあれは普段からじゃ」

ラギー「そうッスね。いつも通りのレオナさんッス」

かなり失礼だが、普段の行いから仕方がないだろう。

妖精【で、ですが私達には見張りの任が……】

レオナ「あ?」

あ、圧が怖いんですけど…。

渋る妖精達だが、レオナ先輩の命令に体が勝手に従うのか…身動きが取れていない。

グリム「あの妖精、レオナの迫力に圧倒されてるんだゾ」

ラギー「もうレオナさんのことしか見てない……
これは"警備員の視線も独り占め大作戦"ッスね!」

「あれは圧が凄いのでは…ん?」

ふと、ロゼッタさんがこちらを見て、口パクをしている。

ラギー「い、ま、の、う、ち、に……」

「に、げ、て……?」

ラギー「よし。今のうちにこっそり行きましょう」

それに頷き、グリムを抱えつつ、ラギー先輩と共に裏口へ走った。

__植物園 入口

走り抜け、植物園を抜け出せた。
はぁと息を吐き、背後を見る。

ラギー「ここまで来ればもう安心ッスかね。後ろは……」

「だ、誰も…来てないです…と、いう事は作戦成功です!」

グリム「これで快適な学園生活が戻ってくるんだゾ!」


「「「イエーイ!」」」

私達はハイタッチをする。
本当に作戦成功してよかった。

**

ランウェイチームとも合流し、メインストリートを歩く。
もう空の色は朱を含んだ紫陽花色の夕空になっていた。

レオナ「ラギー、テメェ結局ヘマ踏んでたじゃねえか」

ラギー「オレのせいじゃないッスよ。
スコールなんて変にこだわった環境設定してる学園側に文句言ってほしいッス!!」

「…ファッションショー、皆さん素敵でした!大盛況でしたね!」

レオナ「当然だろ?あぁ、歌いながら、見惚れてたろ、ロゼッタ」

ロゼッタ「え・・見ていたんですか!?」

驚いているが、ロゼッタさんだけ知らないだけで、みんな知ってると思う

グリム「オレ様とラギーは、ファッションショーを見られなかったけど……
どうせロゼッタとカリムとジャミルが頑張ったんだゾ。見なくてもわかる」

カリム「そんな事ないぜ?レオナはどの妖精よりも綺麗だったぜ?オレびっくりしたよ」

ラギー「またまたあ、フォローなんてしなくていいんスよ。
カリムくん、ほんと優しいッスねえ」

レオナ「なんだテメェの態度は。助けてもらった恩を忘れたか?」

ジャミル「日頃の行いじゃないでしょうか」

レオナ「おい」

「カリム君やジャミル君のダンスも凄く素敵でしたし…レオナさんのポージングも凄く綺麗でした。」

ロゼッタさんそう言うと、カリム先輩はニカッと笑い「ありがとう」と言っていたが、ジャミル先輩とレオナ先輩は恥ずかしそうな顔をしていた
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