フェアリー・ガラ

レオナSIDE

レオナ「お前等、退け。ロゼッタ、行くぞ。」

前にいるカリムたちを後ろに投げる。
2人とロゼッタは驚愕していたが、気にせず俺は前に歩み出た。そして、ロゼッタをエスコートする

既に妖精達はジャミルとカリムのダンスで興奮してる。
女王もこっちの動きに魅入っている。

あと一歩…て、所だな。

レオナ「妖精共、ありがたく、俺とレディのショーを目に焼き付けろ!」

妖精どもは俺のオーラに圧巻されたのか、アワアワと震えてやがる。
ハッ、いい気味だ。

ジャミル「漸く2本脚で歩けようになったばかりとは誰も思わないだろうな」

レオナ「煩ぇ。目立ってんだからいいだろ」

「レオナさん、楽しみましょう?」

レオナ「ああ。」

本当に一言多い後輩が多いな。そして、ロゼッタが歌いだす

すると、ひと際輝く女王がロゼッタの歌声に聞きほれ、俺の姿を見て、目を輝かせている。

カリム「女王がこっちを見てるぞ!」

ジャミル「視線を独り占めするまであと一息…」

レオナ「仕上げだな」

妖精【物憂げながら、見事な足さばき。

  一体何の妖精だろう。それにこの歌声、とても美しい】

妖精【滲み出る気品と、豪華な衣装…

  さぞ名のある妖精達に違いないね】


わあわあと好き勝手騒ぎやがって…余裕で評価できるのも今の内だ。それに、ロゼッタの歌声が美しいのは当たり前だ


司会の妖精が褒め称え、そして他の妖精達がランウェイ先端までやってきた俺を食い入るように見る。

司会妖精【いよいよランウェイの先端までやってきましたね。

  一体どんなポーズを見せてくれるのでしょうか】

癪に障るが…あの美に煩いヴィルのお墨付きだ。

ふと、視界の端にこちらを見ているロゼッタを見つけた。

おーおー、目輝かせやがって…そんなにカリムとジャミルのダンスが魅入ったのかよ。

……気に入らねぇな、お前が俺以外に魅入られる何て。

“ティアラも視線も独り占め大作戦”…俺が成功させてやる。

そんで、お前の“視線”も全部…俺が奪ってやるよ。

コツコツと先端へたどりつき、足を大きく広げ、邪魔で仕方ねぇケープをめくりあげターンした。

その瞬間、揚々と感想述べていた司会も、周りの妖精達も…ロゼッタも息を飲んだ様な顔をする。

司会【はじめのアンニュイはそのままに…それでいてダイナミック‼‼

  こんなに大胆で力強いポーズをとった妖精は

  未だかつて見た事がないーい!!】

釘付けになった妖精共がワーワー喚くので鱗粉とやらを吹きかけてやった。

チラッとロゼッタを見ると、頬を赤くして俺に魅入っていた。

レオナ「…ハッ、それでいいんだよ、お前は」

俺以外に魅入られる何て、俺が許さねぇ。
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