フェアリー・ガラ

カリム、ジャミル、レオナ パソストネタバレあり
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ラギー「椅子の裏にいるオレ達からはショーが見えない。

だから女王の注意が他に強く引かれた瞬間……
会場が一番盛り上がった瞬間に合図してください。

監督生くん、勝負は一瞬ッス。気を引き締めて」

責任重大だ。
タイミングを間違えれば、ラギーの存在がバレてしまう…。

監督生「はい、任せてください」

***
__ランウェイ 舞台裏


ジャミル「いよいよだな、カリム。観客の煽りは任せろ」

カリム「おう!練習の時みたいにキレッキレのダンスを披露してくれよな!」

レオナ「何があったから知らねぇが…昨晩のレッスン場に戻ってから随分気合入ってるじゃねぇか」

ジャミル「“がけも”のお蔭です」

レオナ「あ?何だそれ」

司会妖精【続きまして……エントリーナンバー14。今年初参加のグループの登場です。

  グループ名は……「俺とレディと召使い」?

  一体どんなファッションを見せてくれるでしょうか。

  拍手でお迎えください、どうぞ!】

ジャミル「“俺とレディと召使い”……なんて酷いグループ名だ」

レオナ「さっき受付に聞かれたから適当に答えた」

「レディ・・・」

ジャミル「ロゼッタ様の名前はばれると危険ですから、レディでよかったと思いますよ。まあ、名前がなんであれ、俺達は最高のパフォーマンスをするだけだ」

カリム「レオナが失敗してもいいようにオレ達一生懸命頑張るからな!」

レオナ「失敗だあ?誰にもの言ってやがる。お前らなんざ、しょせん俺の添え物だ」

カリム「いよいよ本番かぁ~!
この日の為に、ヴィルの厳しいレッスンをたっくさん乗り越えてきたよな…。ロゼッタはあんまりしごかれてなかったけど‥‥
オレとジャミルの凄ぇダンス、小さい人達にどーんと見せて驚かせてやろうぜ!」

ジャミル「おい、目的を忘れていないか?
妖精の郷の女王の注意を引く。それが俺達に課せられ…」

カリム「分かってるって!でも、どうせなら目一杯楽しんで、
いい思い出にした方がいいだろ?」

そう言うとジャミルは「また能天気な事を…」と言い、呆れられた。
だが次の瞬間、最近見せるようになった意地の悪い顔を俺に向ける。

ジャミル「いつもみたいに、途中で振り付けをド忘れするなよ?」

カリム「もう大丈夫だって!ジャミルは心配性だなぁ」

レオナ「いつまで喋ってんだ、行くぞ」

そして、4人は妖精達が待つランウェイの上に上がった。
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